2022.07.20
マクロな視点のKPIと現場視点の
データで効率的に進捗管理
西日本食品工業株式会社 ✕ 税理士法人アイ・パートナーズ
西日本食品工業株式会社の長田社長×税理士法人アイ・パートナーズの山田氏・石渡氏(以下ビサイダー)による「bixider経営支援プロジェクト」。その第4回定例ミーティングが、2022年3月中旬、熊本~横浜を結ぶオンラインで行われました。
今期(2022年2月~2023年1月)の売上予算を策定し、売上拡大に向けた販売計画や営業戦略なども着々と詰める長田社長。これを受けてビサイダーは、今回のミーティングで以下のTASKを設定し、KPIを軸としたアプローチを確認していくことにしました。
〈TASK〉長田社長が重点的に見ていきたいKPIの項目を確認。そのデータをどのような形でbixidに落とし込み、今期の数値管理やモニタリングに活用していくかを共有
あわせて今回のミーティングでは、長田社長が課題と感じているキャッシュフローや資金繰りなどの考え方についても、ビサイダーから基本的なアドバイスが示されました。

長田社長が重視する粗利のKPIをいかに設定・管理するか

前回のミーティングで、「今期は原価の高騰を踏まえ、毎月の粗利額を商品別に確認していきたい」と語った長田社長。これを受けてビサイダーは、売上から原価を差し引いた粗利のKPIについて見ていくことにしました。
アイ・パートナーズ 山田(以下ビサイダー)
まず、商品単位で粗利のKPIを出すためには、商品ごとの売上と仕入(原材料費)を紐付ける必要があります。
ただ御社の場合、商品は違っても仕入れる原材料は同じ(春雨商品や片栗粉商品の原材料は同じデンプン)という品目も多いため、それぞれの商品の売上に対して、仕入れを分けて会計処理(原価分解)していくのは、作業的にもかなり大変になってくると思います
長田社長
確かにそうですね。当社でも、仕入は商品単位で会計処理していません。ただ、棚卸のデータでは商品ごとに原材料の使用量が見られますので、そこから個別の原価を出しています。
輸入物の原材料に関しては為替の影響があるため、その都度、原価計算していますが、国産の原料は年間契約で仕入れ価格が変動しませんので、今期計画でも年間を通した想定の原価や粗利益を出しています
ビサイダー
ということでしたら、商品単位ではなく、もう少し大きな括りで粗利益と粗利額を見ていくのが出発点になるかと思います。
商品ごとの粗利が積み上がって、事業全体の粗利が出てくるわけですから、まずはマクロな視点で全社的な粗利のKPIを把握し、それが想定値からズレてくるようであれば、細かい部分のデータを追って見ていくのです。長田社長は現場視点のデータを緻密に管理されていますので、計画から大きく離れた異常値が出てくればすぐに把握できますし、原因追及もしやすくなると思います
ここでビサイダーは確認のため、すでに確定している今期2月のデータをbixidでモニタリング。計画と実績に乖離(かいり)がないかをチェックしたところ…
ビサイダー
売上は目標よりやや少なかったものの、粗利や限界利益、変動費はほぼ計画通りの数値ですし、固定費も無駄なくスリムに抑えられていますね。
こうして見ると、今後も売上予算と原価をしっかりと追って、粗利を確実に上げていくことが肝になると思います。引き続きこの方向性で進めていきましょう
長田社長も安堵の表情でうなずきました。

マクロ視点のKPIと項目別の詳細なデータで営業売上を管理

続いてビサイダーは、長田社長が今期のテーマとして掲げている、営業売上のKPIを見ていくことにしました。
現在、西日本食品工業では4名の営業が、全国各地のクライアントをエリア別に担当しており、今期からは長田社長も営業に加わってトップセールスを開始。社内で販売計画を綿密に立て、既存クライアントの取引拡大や、新規顧客の開拓に力を入れるなど、営業活動のさらなる強化を図っています。
長田社長
売上に関しては、営業各人が前年度の実績をもとに目標を設定し、デイリー単位で進捗を社内システムに入力して共有・管理しています。それらのデータをもとに、営業担当ごと・商品カテゴリーごとの売上管理表も作成しており、それらのデータをクロスさせると売上の傾向がより鮮明化しますね
ビサイダー
ちなみに、営業担当と商品カテゴリーを一つひとつ紐付けると、どれぐらいの項目になりますか?
長田社長
ざっと計算すると160項目近くになります。ただ、それをすべてKPIに設定するのは、かなり手間がかかるというか、見にくくなりますよね
ビサイダー
そうですね。すべて設定しても逆に管理が大変になってきますので、先ほどお話しした粗利と同様、営業の売上に関してもマクロな視点でKPIを設定し、細かい項目は長田社長の管理データで追っていくという形が適切かと思います
長田社長
やはりその方が良さそうですね。これで粗利の構成要素となる売上に関しても、2段構えで効率的に把握できると思います

キャッシュフローや資金繰りに関する基本的なアドバイスも

さらにビサイダーは補足として、長田社長が課題と感じているキャッシュフローや資金繰りについて言及。まず、bixidの資金ダイジェスト(貸借対照表)で、現在の借入金や返済状況を確認し、以下のようなアドバイスを示しました。
ビサイダー
今期は手形を廃止されたことで、一時的にキャッシュアウトが大きくなりますので、そのバランスや設備投資の必要性などを加味しながら、融資を受けるのか、自己資金でいくのか判断するとよいでしょう。まずは、長田社長が手元にいくら置いておきたいのか、借入金の返済で手元に残るキャッシュはいくらなのかを把握していれば、基本的に問題はないと思います。
今回は大枠の説明となりましたが、キャッシュフローをはじめ、それに付随する自己資本比率・経常利益は経営計画の重要項目となりますので、詳細については次回以降のミーティングで、さらに深掘りして見ていくことにしましょう
そしてミーティングの終盤、いつものように長田社長とビサイダーの間で、和やかな雑談が交わされました。
ビサイダー
プロジェクト開始から4ヵ月がたち、長田社長もbixidの操作に大分慣れたと思いますが、使い勝手などはいかがでしょうか
長田社長
まだ触っていない機能もありますけど、やはり面白いですね。数字は全然変わらなくても、ほぼ毎日見ています。出先でもスマホで確認できるので安心感がありますし、用語の解説をしてくれるbi-bo(ビーボ)君も、なんかいいなって和んでいます(笑)
ビサイダー
アハハ…それは良かった、かなり愛着も湧いてきているのですね。楽しみながら使っていただけて、私としても大変うれしく思います。
長田社長のご協力もあって、すでにbixid上でも今期の予算がきっちり積み上がっており、あとは実績を入れていけば、予算と実績を対比させながら確認できる状態です。さっそく来月から、予算と実績のモニタリングを本格的にスタートしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします
長田社長
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。来月のミーティングも楽しみにしております!
第5回目となる次回のミーティングでは、いよいよ今期の予算×実績のモニタリングが本格始動します。緻密な数値管理と攻めの営業で今期に臨む長田社長が、今後いかに舵を取りながら実績を積み上げていくのか── 来月の展開にもぜひご注目ください!

今回のPOINT!

(ビサイダー 山田氏)
・粗利や営業売上のKPIは、事業全体のマクロな視点で設定し、細かい項目は現場サイドのデータで追って効率的に管理していきましょう
・キャッシュフローや自己資本比率、経常利益の詳細については、今後の重要項目として、あらためて確認していきましょう
おかもとさん(YKプランニングのしゃちょう)コメント
前回までのビサイダーは、西日本食品工業様のビジネスモデル、収益構造、企業風土などを理解するため細かいヒアリングが中心でしたが、今回は大局的な会社全体の数字の話にシフトしました。全体の利益率や労働分配率、経費率など今回はPLを中心とした自社の財務指標が出るたびに真剣に理解されようとする長田社長の姿勢がとても印象的でした。
bixidの「KPI管理」の特徴
独自のKPI設定も可能ですが、bixid内に用意してあるテンプレートをカスタマイズすることでさらに簡単にご利用できます。レポートは自動でグラフ化されリアルタイムな進捗管理が可能となります。
機能の詳細はこちら
食品製造・輸入・販売 | 熊本県熊本市
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本社所在地:熊本県熊本市
創業:1950年
事業内容:春雨や粉物などの食品製造・輸入・販売
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