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イノベーションを生むデザイン経営とは

2021年 5月11日
起業 トレンド

「デザイン経営」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

「デザイン経営」とは、デザインを活用したイノベーションやブランディングにより、企業の競争力を強化しようという経営手法で、経済産業省と特許庁からは2018年5月に「デザイン経営宣言」という報告書が発表されています。

その報告書には、デザインの重要性やその実践が記されており、現代経営の方向性を指し示す報告書だとも言われています。

では、デザイン経営とは具体的にどんなものなのでしょうか。

デザイン経営とは

デザイン経営とは、社会のニーズを顧客目線で掘り起こし、デザインの手法を用いてブランドやイノベーション力を高め、企業価値をバージョンアップする取り組みを指します。

これは企業側の思い込みを排除し、顧客のあらゆる体験を想定することをメインとしており、既存事業に縛られない経営手法とも言えるでしょう。

例えば、世界中に浸透しているアップルのロゴマークは、誰が見ても一目でアップル社の製品だと分かるデザインになっており、アップルのブランド力を象徴していると言えます。日本でいえば、良品計画、MAZDA、メルカリなどがデザイン経営の先端企業として挙げられます。


デザイン経営を導入する意義

現代はあらゆる分野で製品やサービスが飽和状態となり、品質や機能では差別化が難しい時代となっています。世界中の産業が成熟しモノが売れない現代においては、製品やサービスを通して顧客一人ひとりが受け取る体験の質が、ビジネスの成否を決める重要な要素となります。

顧客が受け取る体験とは、「ブランドやデザインが好みである」「読みやすい・分かりやすい」「サービス・対応が良い」「商品の質や満足度が高い」など、顧客が製品やサービスを通じて得られる体験です。

この顧客体験の質を高めるために重要なのが、デザインです。

例えば歯磨き粉のチューブです。以前のチューブは細長く、お尻の方から出して使わなければなりませんでした。そこで開発されたのが、自立型チューブです。内側をつるつるにすることによって、立てておけば中身のペーストが自然と出口の方へ降りていきます。これによって、残量が少なくなってもすぐに中身を出せるようになったのです。

このことから、歯磨き粉用のチューブは自立型で内側をつるつるにするという「デザイン」によって、以前の細長いチューブ型の課題である押し出す手間を省くことができ、最後まで使い切りやすくなる、という満足度の高い顧客体験を生み出したと言えるでしょう。


デザイン経営の取り組み方・事例

では、実際にデザイン経営に取り組むにはどうしたらよいのでしょうか。実際にデザインの手法を取り入れ、新しいCIやロゴを一新したソーキの例を見てみましょう。

土木建設分野の計測機器レンタルで成長を遂げたソーキは、保守的で受身な社風から脱却し、積極的に提案する姿勢に企業文化を変えようとデザインの専門集団に依頼し、経営の最上流からデザインに取り組む体制を整えました。

デザイン経営のスタートとして彼らが行ったのは、社員に対するヒアリングです。会社の強みや弱み、仕事のやりがい、働く上で大切にしていることなどを営業や商品企画部門だけでなく、機材管理やメンテナンスなどバックオフィスの社員も対象に丁寧にヒアリングすることにより、全社的な意識の統一を図ったのです。

ここには一部の人間だけがデザインによる変化に取り組んでも、大多数が置き去りになってしまっては意味がないという考えがあります。社員一人ひとりが自社と自分の仕事を見つめ直して自分事としてとらえることで、全員の意識の統一を図ることを最重要視したのが、この取り組みの目的なのです。

この取組によって社内横断的に出てきた声は全てデータ化されました。そこから課題を抽出することによって、社員の声が届くことを全社員に実感してもらうことができ、これまでよりさらに意識の統一を図ることができたといいます。

こうして全社員の思いが詰まった新しいCIやロゴが決まったソーキでは、今後は社員向けの行動指針や、会社案内のパンフレット、ブランディングサイトを開設し、社内外に企業価値を浸透させる取り組みを継続していくとのことです。

まとめ

デザイン経営は、創業から年月を重ねた中小企業こそ取り組むべき手法と言えるでしょう。それはデザインの力を借りて、自社の強みを再定義することで、スピード感をもって社内外に企業価値を示すことができるからです。

攻めの経営へ、自社の武器をもう一度磨き上げる地道な作業こそが、デザイン経営なのです。