貴社の強みや特長を教えてください。
松井様:弊社の特長は、財務を基本とした顧問先企業の経営全般のサポートを主軸としていることです。長年MASに取り組んでおり、財務的視点の経営参謀として顧問先をサポートしています。そのため、経営者が参加する会議に同席することが多く、顧問先の業績や組織上の課題、企業としての新しい取り組みなど、さまざまな情報を共有してもらいながら、サポートしています。「税務」という点の接点だけではなく、企業経営のストーリー上で生まれるさまざまなシーンで接点を持ち、顧問先と一緒になって経営課題の解決を行えることが強みです。
顧問先企業のサポートについて、もっとも重視している点はございますか。
松井様:専門家視点からアドバイスをするというよりも、「一緒に考える」ということを重視しています。
そのうえで、顧問先のために良い目標が設定できるか、問題・課題をどう分析すべきかを考えます。
顧問先の社内会議に多く参加している理由は、社員の意見やアイデアをヒアリングするためです。多くの経営課題解決のアイデアは、顧問先企業内のさまざまな人の意見の中にあると考えるからです。その意見やアイデアを、財務の視点で整理し、分析し、見える化していきます。そのうえで、経営課題解決のプランを練り上げ、経営者の意思決定に役立つ選択肢として複数提示します。課題はさまざまです。売上の目標管理やチームビルディング、組織の体質改善など、多岐に渡ります。
決断は経営者しか行えませんから、そこに至るまでの環境を整えることも私たちの使命です。経営者が決定したプランを実行フェーズでサポートしていきます。もちろん、そのプロジェクトに関わるメンバーに対してもサポートを行います。
「一緒に考える」ことは、とてもタフな行動です。本質的に顧問先へ寄り添い、本気で対峙する覚悟が必要不可欠なのです。
bixidを顧問先企業支援で導入したきっかけは何ですか。
松井様:もともと、IT系のツールは検討しており、そこで出会ったのがbixidでした。経営課題解決に有効なツールだと思えたことが導入のきっかけです。理由は大きく2つあります。
1つ目は、IT化が加速する昨今、クラウド化やペーパーレス、オンラインmtg.など、時代に合わせて取り組む姿勢が必要だと考えていました。ちょうど事務所の移転も重なり、環境を整えるタイミングが合致したということが挙げられます。
2つ目は、社内の業務を標準化できる可能性を感じたからです。弊社は「一緒に考える」というテーマで業務を遂行しておりますので、どうしてもマンパワーに寄りがちな傾向がありました。そこで、何らかのかたちで、サービスのパッケージ化が課題でした。もしそれができないとすれば、リソースの限界にも繋がります。顧問先に対して、より良いサービスを提供するためにも、その内容や提供の仕方に変化を生み出せるのは強みと考えています。
事務所内のbixidへの関与度を具体的に教えてください。
鴻巣様:徐々に顧問先への導入を始めており、導入先の月次決算はbixidへ移行しています。また、決算の着地予測が簡単にできるようにもなりました。昨年の数字がどうだったか、昨対比の確認もしやすく、スタッフと会話する中でも、見やすい、分かりやすいとの声がありました。
本格的にbixidを使っていくために、社内のサービス提供の概念を見直しながら、顧問先へ価値あるサービスとして提供できるように準備しています。
bixid導入後、サービス内容にどのような差が生まれましたか。
鴻巣様:数字の報告などがしやすくなったという声がありました。これまで、報告資料の作成にかなりの時間を割いていたのですが、bixidはオンラインで資料の共有ができるので、資料作成にかけていた時間を省くことができました。また、顧問先とオンラインで面談ができることにも価値を感じています。報告資料や数字を共有しながら面談できるのもbixidの特長です。
bixid導入後の工数や生産性にどのような効果がありましたか。
松井様:将来的には生産性の向上に繋がると思うのですが、スタッフ教育の面で、より実践に近い経験ができるようになったと感じています。例えば、新人の教育訓練の場にbixidがあれば、顧客との対話や、顧客が何に興味があるか、先輩がどのように業務を進めているのかなど、担当を持つまで経験ができなかったことが学べます。座学よりも、より体系的に、現実的に学ぶことができる。OJTにbixidが活用できるというのは新しい発見でした。bixidというツールがあり、世の中の動きからみても、そういった取り組みができる環境が整いつつあると感じています。
bixidにどんなことを期待していますか。
鴻巣様:決算着地予測の報告は、過去会計を報告するためのものと捉えている方も多いです。着地予測を挟んで未来にどう繋げるか、目標をどう立てるかなど、未来に向けた会計にうまく橋渡しをするために、bixidをうまく活用していきたいですね。
松井様:自分の状況が分かることは、その人を変えます。身近な例を挙げると、家計簿アプリやダイエットが分かりやすいですよね。そこにある数字は、かしこまって見るものではなく、常に意識をするものとして存在します。数字を分析できるツールが、自分のものになっているという状態です。
今まで会計事務所は、数字を分析したり、説明することに時間をかけてきました。しかし、一番大切なのは、経営者が数字に対して価値を見いだすことです。私たちは、その状態を作り出せる環境を提供しています。経営者は数字が見えることで課題も見えてくる。それがあって、組織を作ろうとするし、目標も作ろうと考える。中小企業は、なかなかそういった取り組みができません。bixidは、その環境に経営者を導く非常に有効なツールです。bixidの普及が、経営者の意識改革に繋がることに期待を寄せています。
最後に、今後の展望をお知らせください。
松井様:税務会計とコンサルティングを中心に、間口を広げてさまざまな価値を提供していきたいと考えています。税務会計の業界が持つ機能や価値は「ハブ」になれること。顧問先のニーズは経営のことですが、私たちが税務以外の技術やノウハウを身に着けることで、顧問先が求めるものと、第三者を繋ぐハブになれるという心意気で取り組んでいきます。
また、税務会計で関わっていなくても、MASだけの提供、bixidだけの販売、情報提供だけの関係性も意味があると考えます。柔軟なスタンスで顧問先と関わっていきたいですね。
決して、受け身ではなく、能動的に活動し、自立していて、自分たちを律することができる、そんなグッドカンパニーづくりを目指していきたい。どんな企業でも、試行錯誤していることはあるはずです。価値あるサービスを実現するために、bixidや有効なツールを活用していくつもりです。