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bixid(ビサイド)で始める資金繰り管理(後編)

2026年10月29日
経営管理 bixid活用

前回は、bixid(ビサイド)を活用して、資金繰りの実績を可視化する方法をご紹介しました。
資金繰り管理では、過去の実績を把握するだけでなく、その実績をもとに将来の資金の動きを予測することも重要です。将来の入出金を予測することで、資金不足の兆候を早期に把握し、余裕を持った資金計画を立てられます。

しかし、「資金繰り予測を始めたいけれど、予測に必要な数字を整理するのが大変」と感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は、会計データの過去実績を活用し、bixid(ビサイド)で資金予測をおこなう方法をご紹介します。


資金繰り予測とは?必要性をおさらい

資金繰り予測とは、過去の資金繰り実績や今後の入出金予定をもとに、将来の現預金残高の推移を予測することです。将来の資金の動きを予測するという広い意味で、「資金予測」とも呼ばれます。
売上の入金や仕入・経費の支払い、借入金の返済など、今後のお金の動きを把握することで、将来の資金不足や余剰資金の発生を事前に予測できます。

資金繰り予測には、主に次の2つのメリットがあります。

・資金不足を未然に防ぐ
 資金が不足する時期を事前に把握し、早めに対策を講じることができます。

・経営判断に役立てる
 将来の資金状況を把握することで、投資や事業拡大などの経営判断に役立てられます。

このように、資金予測は企業の安定した経営を支える重要な取り組みです。

しかし、予測に必要な数字の集計や入力には手間がかかります。表計算ソフトで資金繰り表を作成していても、更新作業が負担になり、継続的な管理が難しいと感じている企業も多いのではないでしょうか。
そこで活用したいのが、会計データをもとに資金繰りを管理できるbixid(ビサイド)の「資金繰り機能」です。


bixid(ビサイド)の資金繰り機能とは?

bixid(ビサイド)の資金繰り機能は、会計データを活用することで、資金繰りを簡単に管理し、資金の状況を可視化できる機能です。会計データを連携することで簡単に資金繰り表を作成でき、自社の資金状況をタイムリーに把握できます。
また、過去実績から将来予測までを一貫しておこなえるため、継続的な資金繰り管理に活用できます。

資金繰り機能は、基本料金にプラスして利用できるオプション機能です。
月額3,000円(税抜)/1社で、初期費用はかかりません。ユーザー数も無制限のため、社内で情報を共有しながら利用できます。


bixid(ビサイド)を活用した資金繰り予測の手順

ここからは、bixidを使って資金繰り予測をおこなう手順をご紹介します。


STEP1.実績と予測を表示しよう

まずは、左側のメニューから[資金繰り表]を開き、作成済みの資金繰り表を選択します。
次に、[表示期間]を設定し、前回作成した実績のうち、直近3ヵ月分が表示されるようにしましょう。
このようにして、「3ヵ月実績+9ヵ月予測」になるように表示期間を変更します。
直近3ヵ月の実績をもとに今後9ヵ月の資金の動きを予測することで、現状を踏まえた資金繰りの見通しを立てやすくなります。
資金繰り予測の精度を高めるためにも、基本的にはこの表示期間で管理していきましょう。


STEP2.予測の基礎数値を作成しよう

資金繰り予測をおこなう際は、確定している数字と、まだ確定していない数字を分けて考えることが重要です。
まずは、確定している数字をもとに予測できる項目から入力していきましょう。

① 確定している投資収支・財務収支を入力する
投資収支や財務収支には、設備投資や借入金の返済など、あらかじめ金額や時期が決まっている項目があります。
例えば、今後予定している設備投資の金額や、借入金の返済予定額などです。
まずは、確定している投資額や返済額を入力し、予測の基礎となる数値を埋めていきましょう。

② 過去の実績をもとに経常収支を入力する
次に、売上の入金や仕入・経費の支払いなど、日常的な事業活動に伴う経常収支を入力します。
経常収支は、将来の売上や支出の状況によって変動するため、金額を確定することが難しい項目です。
まずは過去の実績を参考に、予測数値を設定していきましょう。
入力欄を選択し、「入力補助」機能を利用すると、予測期間に前年実績を反映できます。


STEP3.予測数値を見直そう

予測の基礎となる数値を入力したら、次は実際の事業計画や自社の状況を踏まえて、予測数値を見直していきましょう。すべての項目を一度に調整する必要はありません。まずは見通しが立てやすい項目から確認し、少しずつ予測の精度を高めていくことが大切です。

①直近の期間から見直す
予測数値は、直近3ヵ月を優先して見直した後、4ヵ月目以降の数値を調整していきましょう。
直近の期間は、すでに把握できている取引や今後の予定を反映しやすいため、比較的具体的な予測を立てられます。先の期間になるほど不確定な要素が増えるため、現時点で分かっている情報をもとに、段階的に見直していくことが重要です。

②経常支出を見直す
経常支出は、納税→人件費→その他経費→仕入れの順番で見直しましょう。
支払額や支払時期を把握しやすい項目から確認すると、予測を進めやすくなります。

また、前年実績をそのまま予測に反映している場合は、今年の状況と異なる支出や一時的な支出がないか確認しましょう。
例えば、一時的に発生した支出が前年実績に含まれている場合、その金額をそのまま予測に反映すると、実際の資金繰りと大きく異なる可能性があります。

予測数値の「明細」をクリックすると、前年実績の取引内容を確認できます。継続的に発生する支出なのか、一時的に発生した支出なのかを見極め、必要に応じて調整しましょう。
③ 経常収入を見直す
経常支出の見直しが終わったら、次は経常収入を調整します。
経常収入は、売上の入金など、今後の事業活動によって変動する項目です。
直近3ヵ月は、受注状況や売上の見込みなど、現時点で把握できている情報をもとに重点的に見直しましょう。

4ヵ月目以降の予測については、次のような方法で調整できます。
・売上計画をもとに調整:今後の売上計画や受注見込みをもとに、入金額を予測する。
・前年比で調整: 売上の傾向を踏まえ、前年実績から一定の割合で増減させる。
・直近数ヵ月の平均値を活用:直近の入金実績の平均値をもとに、将来の入金額を予測する。
・前年実績をそのまま活用:大きな変動が見込まれない場合は、前年実績を参考に予測する。

自社の売上状況や事業計画に合わせて、適切な方法を選びましょう。

④ 予測数値の調整履歴を残す
予測数値を調整したら、その根拠や理由を記録しておくことも重要です。
例えば、新規施策による売上の増加を見込んで予測数値を変更した場合、判断の根拠を残しておくことで、後から予測数値を見直す際にも判断の背景を確認できます。

履歴を残したい数値の欄にカーソルを合わせ、コメント機能を使って調整の理由や見直しの経緯を記録しましょう。次回の見直しがスムーズになり、継続的な資金繰り管理にもつながります。


資金繰り予測を始めるには、見通しの立つ情報から着実に

このように、bixid(ビサイド)の資金繰り機能を活用すれば、会計データや過去の実績をもとに、簡単に資金繰り予測を立てることができます。

いきなり精度の高い予測を目指す必要はありません。まずは、確定している数字や見通しの立つ項目から少しずつ予測を始めてみましょう。その後、実績と予測を定期的に比較し、必要に応じて見直すことで、無理なく継続的な資金繰り管理につなげられます。
将来の資金不足に備え、計画的な経営をおこなうためにも、bixidを活用した資金繰り予測を始めてみてはいかがでしょうか。


渡辺 雅敏
渡辺 雅敏
株式会社YKプランニング Company事業部 管掌役員

2009年に行本会計事務所に入所。中小企業の企業再生や経営支援に携わり、企業の経営課題の解決を支援。
現在は、株式会社YKプランニングのCompany事業部を管掌し、会計データを活用した経営状況の可視化や予算管理、資金繰り管理など、中小企業の経営改善に役立つ「bixid(ビサイド)」の導入・活用を支援している。