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個人事業主の節税対策 入門編①

2021/2/18
資金繰り 会計・財務 起業

こんにちは。税理士の藤井です。

今回は、個人事業主のための節税対策についてご説明いたします。
毎年の儲けから10万円ずつ節税できたら、10年間で100万円、20年間で200万円のお金を残すことができます。税金を毎年こつこつ減らすことができたら、とても大きな財産形成になりますね。昨今、老後2,000万円問題が取り上げられ、投資による財産形成などもクローズアップされました。
個人的な見解ですが、毎年の儲けから金融商品に投資しても、安定して3~5%の運用益を得ることすら素人では難しいと思います。

毎年数パーセントのお金を増やすことすら難しいわけですが、わたしたち個人の儲けに課税される税金は、所得税・住民税を合算すると最低で15%、最高では55%の税率です。
つまり、自分の稼いだ儲けに対して、15%~55%の割合で税金を負担しているのです。
金融商品に投資するよりも、税金の負担を軽くする方が、確実に財産形成を実現できる気がしますよね。

まずは自分の税率を知ろう

さて、税金を合法的に減らすことを節税といいます。
ちなみに違法に税金を減らすことを脱税といい、これは犯罪です。
もちろんここでは、合法的な節税についてのお話をします。

まずは皆さんに質問ですが、毎年自分が何%の税率で課税されているのかご存知ですか。
節税と聞くとお得感があり、関心を示される方は多いですが、実は節税対策をすることが効果的な人と、そうでない人がいます。
自分はどうなのかを知るためには、面倒くさいでしょうが、まず税金計算の仕組みを知る必要があります。
そのうえで、
「自分が何%の税率で課税されているのか」
「どれだけの税金を納めているのか」
「節税対策をすることでどれくらいの税金が安くなるのか」
をしっかり理解した上で、必要な節税対策をとりましょう。 

なお、税金とひとことで言っても、所得税、法人税、相続税、等々さまざまです。
ここでは、個人事業者の方が負担されている所得税についてお話をしていきます。

まずは自分の税率を知ろう

税金を計算してみよう

ではまず、税金計算の仕組みを少しご説明いたします。
個人事業者の方は、毎年1月から12月までの期間で利益の計算をし、その利益に税率をかけて所得税を計算します。
具体的には、1年間の売上高(収入)から1年間の必要経費を差し引きして利益を計算します。非常に簡単な言い方ですが、この利益が所得となります(実際には青色申告特別控除を差し引いたりしますが、ここでは省略します)。
この所得から、所得控除額を差し引きした金額が課税される所得金額となります。
この課税される所得金額に所得税率を乗じて所得税額を算出します。

計算式で表すと、下記のようになります。 

売上高(収入)-必要経費=利益(所得)
利益(所得)-所得控除額=課税される所得金額
課税される所得金額×所得税率=所得税額

これを踏まえた上で、まずは「自分が何%の税率で課税されているか」を確認します。
意外ですが、給与の源泉徴収票や所得税の確定申告書を見ても、自分が何%の税率で課税されているかはわかりません。そのため、所得税の税率表を知っておかないといけません。
下記図が所得税の速算表です。

税金を計算してみよう引用:No.2260 所得税の税率|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

税率がわかれば、「どれだけの税金を納めているのか」が明確になります。
例えば「課税される所得金額」が7,000,000円の場合には、求める税額は次のようになります。

7,000,000円×0.23 - 636,000円= 974,000円

実際には、国税である所得税の他、住民税が一律10%課税されます。従って、上記の税率にプラス10%した率が皆さんに課税される税率となります。
そのうえで「節税対策をすることでどれくらいの税金が安くなるか」を確認していきます。 

節税効果をシミュレーション

ここからは具体例を挙げて考えてみましょう。
仮に、自分が、毎年10%の税率で所得税を払っているとします。上記「所得税の速算表」でみると課税所得が195万円~329万円です。
ところが、今年は儲けが多くなり、20%の税率の課税所得になる見込みです。税率が20%の場合、何か節税対策を講じて、課税所得を10万円減らす(次回以降お話しますが、売上を減らす、経費を増やす、所得控除を増やす)ことができると2万円の所得税が節税できます。
これは儲けから2万円の税金を払わなくていいということなので、節税によって、2万円のお金が手元に残るということですね。

例年の税率10%であれば、課税所得を10万円減らすと、1万円の節税なので、同じ10万円の所得の減少に対して2倍の節税効果があります。これは、例年以上に節税効果が高いと言えます。
逆に、自分が毎年5%の税率の課税所得で、今年も同じ課税所得が見込まれるのであれば、無理して節税対策をとる必要が無いかもしれません。なぜなら、10万円の儲けを減らして(一般的に、お金を減らすことになります)も、5,000円しか税金は安くなりません。
税金は、そもそも1年間に稼いだ儲けの一部を納めるわけですから、節税ありきで課税所得を減らしすぎると、手もとに残るお金も減るので本末転倒です。
また、借入金や設備投資の有無、売掛代金の回収状況や在庫の増減によって、その年のキャッシュフロー(資金繰り)の状況もまちまちです。
今年、自分は節税をすべきなのか、すべきでないのか、正しく理解して節税対策をとらないと、結果的に何年経っても手もとにお金が残らないということになります。

さらに言うと、節税を検討するには、1年間の儲け(所得)を正しく予測できないと適切な節税対策をとることができません。
正しい決算予測は正しい節税対策に必要不可欠なのです。

節税の方法

それでは、節税対策は具体的にどうすればいいのでしょうか。
利益(所得)が増えれば税金が増えます。
反対に利益(所得)が減れば税金も減ります。
節税の方法は、利益を減らす、か、所得控除額を増やす、かの2つです。
そして、利益を減らすには、売上を減らすか経費を増やす、かの2つです。
売上を減らす、経費を増やす、と簡単に書きましたが、ただ売上の請求書日付を変えるとか、経費を水増しするといったことは脱税となり犯罪です。従って、合法的に売上を減らす、経費を増やさないと、節税とは言えません。
次回は、利益を減らす具体的な方法についてお話しします。