BLOG bixid

経営のあらゆる課題を支援する
bixidオフィシャルブログ
  • ALL
  • 経営管理
  • 会計・財務
  • bixid活用
  • 業務改善
  • 営業/マーケティング
  • 人材育成
  • ビジネス用語

「業務改革」と「業務改善」の違いとは

2024年 5月23日
業務改善 ビジネス用語

働き方改革や少子高齢化などによる労働力不足は大きな課題であり、対策に頭を悩ませている経営者の方も多くいらっしゃることでしょう。その課題を解決するために、近年ではデジタル化やDXを推進している中小企業が増えています。

デジタル化やDXの推進は業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがある反面、多岐にわたる業務のどの分野から、どのように進めたらよいかなどの課題が尽きません。

そこで今回は、デジタル化やDX推進に役立つ知識として、近年よく使われるようになったキーワード「BPR」「BPO」「RPA」の解説を通して、業務改革と業務改善の違いについてご説明します。


BPR(業務改革)とは?

BPRとは、「Business Process Re-engineering」の頭文字を取ったものです。「Re-engineering」が意味するのは、業務・組織・戦略の根本的な再構築です。すなわちBPRとは、企業の目標達成のために既存の業務フローや組織構造を抜本的に改革することを指します。

多くの企業では、企業全体としての目標を効率良く達成するために、業務ごとに組織を細分化して分業制にしています。しかし、細分化されたそれぞれの専門組織は、いつしか企業全体の目標を忘れ、己の任された業務を効率的にこなすことをゴールとしてしまい、結果としてさまざまな非効率を発生させてしまいます。企業全体の目標達成をするための工夫であったはずが、本来の目的を見失い、非効率な形態となってしまっているのです。

そこでおこなわれるのが、BPRです。全社共通の目標を改めて設定し、現行の企業活動や組織構造を根本から見直すことで、「効率的に企業全体としての目標達成に向かうことができる組織」に今一度作り変え、業務改革をおこなおうというものです。

日本では1990年代にもBPRの導入が一時盛んになりましたが、当時はリストラを助長する要因となってしまうなど、成功とは言い難い結果を残してしまい、継続的に推進され定着するには至りませんでした。しかし、政府が「働き方改革」に乗り出したことにより、2018年頃より再び注目を集めるようになったのです。


業務改善の手法「BPO」とは?

一方BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略で、自社の業務プロセスを外部に委託することを意味します。「業務タスクの一部」ではなく業務の企画・設計・実施などの「業務プロセス全体」を一括して委託する点が、従来のアウトソーシングサービスとは異なります。

委託できる業務はさまざまですが、例えば、コールセンターの運営などを外部の専門組織に委託することで、人件費やオフィス賃料などのコストを削減できたり、自社の人材をコア業務へ集中させ、品質を向上できたりするなどのメリットがあります。

また、経理業務全体を外部委託するケースも数多く見られます。経理業務は専門知識や経験が必要なため、担当者の退職や採用・教育など経理人材に関する課題を抱えている中小企業は少なくありません。この場合も外部の専門組織に委託することで、人件費の削減やコア業務へのリソースの確保のほかにも、電帳法やインボイス対応などの法改正への対応もスムーズにおこなうことができます。

業務フロー全体の見直しが難しい場合でも、一部を効率化することにより全体の業務改善を図ることができるのが、BPOの特徴なのです。


BPRとBPO、RPAの違い

BPRが組織を根本から再構築する「業務改革」であるのに対し、BPOはある一部の業務プロセスについての見直し・効率化を図る「業務改善」であることがお分かりいただけたかと思います。

業務改善のための取り組みを表すものとして「RPA」という言葉もありますが、こちらは「Robotic Process Automation」の略で、毎日ルーティーンでおこなわれるような反復性の高い事務作業を、ソフトウェアロボットの導入により自動化することを指します。

ロボットによる作業であるため人為的ミスが起こりにくく、休憩も必要としないため速度面でもとても優れています。とはいえ、RPAを自社で導入するにはそれ相応の専門知識が必要となり、継続的なバックアップやメンテナンスも自社で賄う必要が出てきますから、組織の規模や改善したい業務のボリュームによっては、RPAの導入も含めてBPOベンダーに丸ごと委託するというのもひとつの手です。

つまり、BPOやRPAなどの業務改善をおこなうための取り組みは、BPRによる業務改革の一部として含まれるものなのです。BPOやRPAは自社の課題解決のために取り入れる業務改善施策であり、BPRは企業の目標や組織のあり方や通常業務を根本から見直し、BPOやRPAを取り入れることで改革することであると言えます。


まとめ

以上、業務改革と業務改善の違いについてご説明いたしました。

自社の課題は、業務プロセスの一部をBPOやRPAの導入により業務改善を図るのみで解決できるのか、それとも業務改善を含めたより抜本的な業務改革・BPRが必要になるのか、企業ごとに課題やかけられるコストも異なってくるため、自社に合った方法を見極めながら進めていきましょう。

株式会社YKプランニング
株式会社YKプランニング
マーケティング部