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リモートワーク時代の人事評価

2021/5/24
組織強化 トレンド

これまでも「働き方改革」の一環として注目されていたリモートワークでしたが、2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大に後押しされる形で急速に普及しています。

リモートワークにすることで、通勤時間が削減できたり通勤ラッシュのストレスから解放されるだけでなく、育児や介護との両立も図れるなどワークライフバランスの一助となることが期待されます。

しかしその一方で、リモートワークの導入で、コミュニケーションの機会が極端に減少し、実際の勤務態度を目にできないという声も増えてきています。かつてのやり方が通用しない中で、社員の人事評価はどのように行えばよいのでしょうか。


リモートワーク時の人事評価の課題

リモート下での人事評価が難しい理由として大きく3つあります。

①勤務態度が見えない
オフィス勤務が基本の時は、目の前にいる相手の状況が分かりやすく、相談や連絡がスムーズで、雑談からアイデアが出てくるなど、直接顔を合わせるメリットを十分に活用できていた企業が大半でした。
一方リモート下では相手の状況が分かりづらいため、メールやチャットアプリなどの連絡も遠慮がちになっている方も多いようです。また、部下が本当に仕事をしているのか、さぼっているのではないかと不安に感じる管理職も多くみられます。

②プロセスが確認できない
上記のようにコミュニケーションが取りづらいことで、どうしても仕事の成果だけに目がいってしまい、成果のみでしか評価できないと悩む管理職も増えています。オフィスでの勤務時には可能だった「チームと積極的に協働していた」「後輩の質問に丁寧に答えていた」など定量化が難しい指標の評価は特に難しくなっています。

③勤務時間を把握できない
オフィス勤務時は、実際に出退勤する姿を確認し、タイムカードを押すといった方法で勤務時間を把握することができていましたが、リモートワーク時はそもそもどのように時間を管理するのかというルール作りが必要になります。
パソコンのログで管理する、通常の勤務時間で働いていたとみなす、勤務開始時、終了時に上司に報告をするなど、企業の実情に合ったルールの作成と周知が重要となります。

原因はリモートだけ?原因分析をしてみよう

リモート下でも効果的な人事評価を行うためには、その原因が本当にリモートワークによるものなのかを考える必要があります。特に振り返るべきなのは、「オフィス勤務時は本当に部下の状況を把握できていたのか?」という点です。

部下の仕事の目的や成果、細かなプロセス、部下が何を考えているのか、目的達成できずに困っていないか。これらの把握は、対面でなくとも適宜行うオンラインミーティングや、業務報告からも読み取ることができるので、リモートワークが原因で課題となっている可能性は低いと考えられます。

むしろリモート下では、電話応対や外出・訪問などで発生しがちな付帯業務が少なくなる分、時間をうまく活用すれば、そこで浮いた時間を「部下と向き合う時間」に充てることもできるのではないでしょうか。それでも部下の状況が把握できないと感じている場合は、オフィス勤務時から把握できていなかったのかもしれません。

当然、物理的に距離があるリモート下では、これまで得られていた言外のコミュニケーションによる情報が得づらいのは確かですが、そもそも実施していた評価制度の運用体制に問題がなかったかを振り返る良い機会でもあります。

社会全体で働き方が大きく変わってきているこのタイミングで、評価制度全体を一度見直してみるのもよいかもしれません。


リモートワークに適した評価方法とは

リモート下での人事評価に悩む管理職が多くいる一方で、問題なくリモートワークを推進できている企業もあります。そのような企業では、どのように課題を克服しているのでしょうか。

リモートワークに対応した人事評価を採用している企業の事例を見てみましょう。

【ジョブ型人事評価制度】

まずご紹介するのは、「ジョブ型人事評価制度」です。 KDDI株式会社では、成果に基づく報酬や職務領域を明確化し、成果や挑戦、能力の観点から評価する「ジョブ型人事評価制度」を導入しました。成果重視型評価方法のため、グレードがあがれば給与もアップし出世につながる可能性もあります。
この制度では、リモート下で管理することが難しくなっていた勤務態度や成果につながるプロセスを管理することなく、成果のみで評価することになります。このようなジョブ型人事評価制度を採用することで、年功序列からの脱却を図る企業は近年増えてきています。

【プロセス重視型人事評価制度】

次にご紹介するのは、「プロセス型人事評価制度」です。
GMOペパボ株式会社では、Slack・GitHubなどのITツールを導入して業務プロセスを可視化し、それ以外の部分は定期的な面談で補うことでリモート下でもプロセス重視の人事評価制度に成功しています。ITツールにログを残すことで、勤務態度や勤務時間に関する問題を解決し、足りない部分は定期的な面談を行うことで、人事評価をスムーズに進めることができています。

【360度評価】

最後にご紹介するのは、「360度評価」です。
360度評価とは、管理職だけでなく、同僚や部下からも評価対象者の人事評価材料を集めて人事評価を行います。さまざまな人からの評価を集め、総合的に判断することによって納得感の高い人事評価となります。
リモートワークが普及する前からあった人事評価方法ですが、昨今の社会情勢の変化に伴い、360度評価がまた見直されているのです。
この評価方法では、管理職の人事評価への負担を減らす効果だけでなく、コミュニケーションを円滑化したり、適切な人事評価がされているのかという従業員の不満軽減といった効果も得られます。

まとめ

リモート下の業務プロセスは目で見て判断することが難しいため、従来の人事評価制度では対応できない側面があります。

全国的に「働き方」の見直しが進められる今こそ、制度を整えると同時に、部下とのコミュニケーションや、働きがいを感じられる環境整備も進めていく必要があるのではないでしょうか。

刻々と変わりゆく社会やシステムに対応し、従業員のモチベーションアップにつなげられるよう、ぜひ積極的な対策を実施したいものです。