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中小企業のスマート化で実現できる未来とは

2021年 7月20日
組織強化 トレンド

最近、耳にする機会が多くなった「スマート工場」はIoTやAIなどのIT技術を駆使し、生産性向上、および品質向上を図るものです。

日本において代表的な産業のひとつである製造業。精密な産業用ロボットから極小ネジまで、世界中で高い需要を誇る日本製品は決して少なくありません。

今後、さまざまな場面で活躍する可能性を秘めたスマート工場について、この機会に詳しく知っておきましょう。

世界で進む工場のスマート化

スマート工場は日本だけではなく、世界中で次々と推進する取り組みが進められています。特に有名なのは欧州の製造大国であるドイツ。今からちょうど10年前の2011年には、産官学共同で進めている「Industry4.0(インダストリー4.0)」が発表されました。

このプロジェクトは、IoTによる製造業の発展は産業革命に当たるという考えのもと、主に政府が推進しています。ドイツではスマート工場の高度化が進むことでコストが低減し、大量生産と同等の生産効率を保ちながら、新たな経済発展や社会構造変革に繋がると考えているのです。

また、中国では2015年5月に「中国製造2025」を発表しました。ここでは、製造業の高度化を果たすため、次世代情報技術(半導体や5G)、新エネルギー車などの10分野、23品目を設定しています。中国は、2025年までに世界の製造強国入り、2035年までには世界の製造強国の中位に立つことを目標としています。

インドもスマート工場への取り組みが盛んな国です。「メイク・イン・インディア」を掲げ、世界における研究開発・製造ハブとなることを目標に、海外からの投資によって、スマート工場化を推し進めています。


スマート化による課題解消の可能性

ここまで世界で進むスマート化について説明してきましたが、この取り組みは大企業だけではなく中小企業でも行われています。製造業で重要な役割を果たす工場では、多くの課題を抱えているのが現状です。ここからはスマート工場を実現することでどんなことが解決できるのか見て行きましょう。

■故障や異常といったトラブル

工場ラインのモニタリングはすでに実施されていますが、多くの問題を抱えているのもまた事実です。機器が旧式であるため正確なデータを計測できない、データ形式が異なることから管理しづらいなどの問題が大きな課題となっています。

IoTを導入すると、機器や工場設備を監視してトラブルを早期発見することが可能となります。故障の確率を予想したり、異常がある箇所を検出したりすることで、生産停止となる状況を回避できるのです。さらに工場をスマート化することで、新式・旧式に関わらずデータを集計でき、一箇所にデータを集約できるというメリットも生まれます。

■不良品の発見に役立つ

スマート工場の画像認識技術は、不良品の早期発見にも役立ちます。従来の人力による検査は多くの労力が費やされるうえ、人為的なエラーや人材育成不足のリスクを排除できません。また、設備を導入する場合でもコストが多額になるというデメリットが大きな悩みとなります。

スマート工場の画像認識技術によるAIの深層学習(ディープラーニング)は、大量の画像データを読み込ませると自動で特定のパターンを検出します。データ読み込みを繰り返すことで、画像データのパターンを発見する精度が向上するため、この機能を応用し不良品検出に役立たせることが可能です。

■遠隔支援による人材育成

現代は日本全体が少子高齢社会へ進んでおり、製造業全体で人材の確保、育成が困難な状態です。特に工場運営に必要な労働力となる若い世代の割合が減り、人手不足が発生しています。ここで活用できるのが、VR(バーチャルリアリティ)技術です。

「仮想現実」と呼ばれるVRは、ゴーグル型のデバイス・遠隔カメラを使用して、離れた場所からでも現実にそこにいるような体験ができる最新技術です。また新たに、ゴーグル型のデバイスを複数人で装着することにより映像を共有する「複合現実」も普及しつつあります。
この技術を活用することで、マニュアルの供給などの新人育成をスマート化でき、コストを抑えながら多数の人材を育てることが可能となります。

■センサーで工場のエネルギーを最適化

世界的に環境に対する意識の重要性が問われている現代、生産ラインで多くのエネルギーを利用する製造業界も明白な対応を迫られています。

IoT化されたセンサーを活用するスマート工場では、工場の稼働状況、エネルギーの利用状況を可視化し数値で管理することができます。どのくらいのエネルギーが使われているかが明確に数値化されるため、その消費量に意識を向けやすくなり、工場の省エネルギー化の実現に向けた動きを加速させることができるでしょう。


中小企業における実現化へのステップ

このようにメリットの多いスマート工場ですが、中小企業で取り入れるにはコスト面などの不安があるという方も多いでしょう。

そこで、いきなりすべてをスマート工場にするのではなく、「現在の工場の課題点を少しだけでもスマート化させてみる」という視点で考えてみてはいかがでしょうか。中小企業で実現させるには次のステップが考えられます。

1.工場の現状を可視化
現在の工場に関するデータを収集・分析し、数値やグラフなどを用いてその傾向や状態を可視化します。数値化されることでこれまで人の目では把握できなかった細部まで確認できるため、課題の発掘、改善に役立ちます。

2.制御
収集したデータをさらに分析して、より効率の良い生産体制を構築し、それに合わせて工場内の機械を制御するプログラムを設定します。この手順を踏むことによって、何らかの不具合が生産ラインに発生した場合には、プログラムが普段のパターンとの違いを検知してシステムを停止し、トラブルを取り除いてくれます。この工程を少しずつ進めていくことで、いずれは工場全体の無人化につながっていくでしょう。

3.自動化
最後のステップとして、人の手を介さずに生産できるよう自動化を行います。AIによる生産計画の立案と人員配備、自動生産ラインの構築を行うことで、工場全体の生産性が大きく向上するでしょう。

まとめ

以上、工場のスマート化について説明いたしました。

近年では海外メーカーの躍進により、日本の製造業の国際的な優位性は失われつつあります。そのような情勢の中で注目されているのが、スマート工場の実現による生産性の向上です。スマート工場の特徴を把握しながら、自社に合った導入方法を検討しましょう。