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ビジネス思考を鍛える「MECE」

2021年 8月31日
人材育成 ビジネス用語

ビジネスの世界で「ロジカルシンキング」が重視されるということは、既に皆さん実感されているでしょう。 ロジカルシンキングとは、問題を解決するにあたって、情報を分類・整理して、論理的に解決策を検討すること=論理的思考のことを指します。

では、このロジカルシンキングの基礎ともいわれる「MECE」が、近年注目を集めていることはご存知でしょうか?

今回は、ビジネス思考を鍛えるための概念、「MECE」について解説していきます。

小学生でも学ぶ「MECE」とは

「MECE」は「ミーシー」または「ミッシー」と読み、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を使った略語です。

それぞれの単語は、
・Mutually 互いに
・Exclusive 重複せず
・Collectively 全体的に
・Exhaustive 漏れなく
という意味で、日本語では「モレなく、ダブりなく」と訳されることが多いようです。

この「モレなく、ダブりなく」という概念、実は誰もが小学校の時点で習う内容なのですが、思い当たる記憶はありますか?
小学校6年生の算数で学ぶ「場合の数」、実はこれが「モレなく、ダブりなく」数えるための手法なのです。 その後中学や高校の数学でも「集合論」や「確率」を学びますが、これも「モレなく、ダブりなく」を学ぶための勉強だったのです。

このように誰もがすでに知っているはずの「MECE」という概念ですが、実際のビジネスではどのような面から必要とされているのでしょうか?


ビジネスにおける「MECE」の必要性

ビジネスは、ある課題に対しての解決策を探すことと一般的に同義です。
解決策を探していく過程では、見つかった課題を論理的に、よりシンプルに細分化していき、分けられた一つ一つの要素ごとに対応を検討していく、いわゆる構造化やセグメント化と呼ばれるやり方が取られることがほとんどです。

この「論理的細分化」作業において、細分化の仕方にモレがあると、解決策にもモレが生じることになります。 反対に、内容に重複が出るような細分化をしていると、同じ検討を何度も繰り返すことになり非効率的です。

まさにここで、「MECE」の「モレなく、ダブりなく」という概念が必要になってくるのです。

上記のような場面以外でも、例えば新商品を企画するというシーンを思い浮かべてみてください。 その商品を機能や価格といった様々な切り口で細分化して検討していくと、競合商品のないブルーオーシャンの商品開発を優先的に行えるようになります。

このようにビジネスの様々な場面で「MECE」が重要な役割を果たすのです。


「MECE」のための2つのアプローチ

では、実際に「MECE」の概念に沿って物事を考えていくためにはどのような方法があるのかについて見ていきましょう。

「MECE」に使われるアプローチには、「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の2種類があります。

▼トップダウンアプローチ
全体像が見えている場合、そのゴールから全体を見て細分化していく演繹的な方法としてトップダウンアプローチを使用します。 トップダウンアプローチには、体系的、俯瞰的に物事を考えられるという利点があり、ゴールを意識した分類を行いやすい方法と言えます。 しかしながら、まだ全体像が見えていないような場合においては、細分化の段階でモレがある可能性も否めませんし、物事のスタート地点では使いにくい手法とも言えるでしょう。

▼ボトムアップアプローチ
トップダウンアプローチが使いにくい場面で有効な帰納的手法が、ボトムアップアプローチです。 ボトムアップアプローチには、全く未知の領域でもブレインストーミングで思考を開始できるという強みがあります。 しかし要素の洗い出しが甘いと分類にモレが生じやすく、また分類の仕方を間違うと重複の可能性が出てくるなどデメリットも存在します。

ビジネスの場においては、それぞれの場面に応じてアプローチの仕方を選択し、常に「MECE」に思考していくことが求められているのです。


まとめ

近年ビジネス思考を鍛える基礎として注目を集めている「MECE」について、その内容を解説してきました。 「MECE」は、何か特別な新しい手法ではなく、義務教育を受けた誰もが触れてきた「モレなく、ダブりなく」という考え方だということがお分かりいただけたでしょうか?

しかしながら、誰もが知っていることと誰もが実践できていることは異なります。 誰もが知っていることを、有効にきちんと実践することが、ビジネス思考を鍛える近道なのですね。