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収益性向上のための「ファイブフォース分析」

2021年10月 4日
経営分析 起業

経営戦略を練る上で、同じ業界の競争相手を分析することはとても重要です。その分析手段として有名なフレームワークが、ファイブフォース分析です。

今回は、ファイブフォース分析の概要やその活かし方をご説明します。


ファイブフォース分析とは

ファイブフォース(5フォース)分析は、1979年、マイケル・E・ポーター氏によって提唱された事業環境分析用のフレームワークです。

史上最年少でハーバード・ビジネス・スクールの教授となったポーター氏は、著書「競争の戦略」の中で経営戦略における競争の重要性を強調しており、各業界の競争状態を左右するものとして「5つの脅威(要因)」を挙げています。この5つの脅威こそが、「ファイブフォース(5フォース)」なのです。

ファイブフォース分析を行うことで、競合他社や業界の状況と収益構造が明らかになり、その中で自社が利益を上げやすいかどうかを知ることができます。

ファイブフォース(5つの脅威)とは

それでは、ファイブフォース(5つの脅威)をひとつずつ見ていきましょう。

①業界内での競争
この脅威は、同じ業界内における競合他社との直接的な競争を指します。競合企業が多いほど、また業界の規模が小さいほどその競争は激しくなり、それに比例するように収益性は低下することが想定されます。ここでの分析対象には、自社を含む競合企業の数や知名度、業界全体の規模や成長率などが当てはまります。

②新規参入者の脅威
新規参入による脅威は、「新規参入がしやすい業界であるか」という基準でまず判断が分かれます。新規参入しやすい業界であれば価格やサービスの競争が起こりやすく、収益性も安定しないことが想定されます。反対に、新規参入のハードルが高い業界であれば、ある程度安定した収益が見込めると言えるのです。ここでの分析ポイントは、市場規模や参入者のブランド力・資金力、それらがどの程度自社に影響を与えるのかという点が中心となります。

③売り手(サプライヤー)の交渉力
売り手とは、企業が生産している製品の材料や使用しているサービスなどを供給する取引業者を指します。売り手からの仕入額が高い場合、自社の収益性は悪化に向かう可能性が高くなります。ここでの分析ポイントは、売り手が業界内でどの程度力を持っているのか、業者数がどの程度あるのかなどが考えられます。

④買い手(顧客)の交渉力
買い手とは、自社の商品やサービスを利用する顧客や消費者を指します。例えば自社製品の取引先が法人の場合であれば、相手が大口であれば交渉力も強いと判断できますし、消費者の場合であれば、競合する企業が多いほど「買い手市場」になり、消費者が力を持つことになります。ここでの分析ポイントは、買い手側の情報量や市場の集中度、自社製品のオリジナリティ等が挙げられるでしょう。

⑤代替品の存在
ここでの代替品は競合他社による類似品やサービスではなく、業界外の代替品を意味します。例えば、紙の書籍に対する電子書籍、地上波のテレビ番組に対する動画配信サービスなどです。ここでの分析は自社製品と代替品の質やコストの差、代替品に乗り換える際の手間やコストなどが対象となります。自社の製品やサービスよりも魅力的な代替品が現れることは、自社のみならず、業界全体の脅威となりうると言えます。

ファイブフォース分析の活かし方

ここまでに紹介したファイブフォースは個別の分析だけでも活用できますが、複数の脅威を掛け合わせることによって、更に詳しい分析を行うことが可能になります。かけ合わせ方には、以下のようなものがあります。

●業界全体の収益性を探る場合
業界の収益性を探る場合には、「業界内での競争」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」を利用します。競合が多く類似製品が多い場合は「買い手市場」になり、自社に対する材料やサービスの提供元が少ない場合は「売り手市場」になるため、それぞれ収益性が低い状況に陥ります。それぞれのバランスによって収益性を見出すことができることから、この分析結果をもって「その業界は利益を上げやすいのかどうか」を判断することが可能となるのです。

●自社の利益の取り分を探る場合
自社の利益分を知るためには、「業界内での競争」「業界への新規参入者」「代替品の存在」を利用します。新規参入者へのハードルが低い場合や代替品の脅威が大きい場合、たとえ競合他社が少ない業界であったとしても激しい競争に巻き込まれる可能性が高く、収益性に不安が残ります。それぞれの脅威を分析しておくことで、「自社が安定した十分な利益を見込めるのか」を知ることができるのです。


まとめ

以上、収益性向上につながるフレームワーク・ファイブフォース分析をご紹介しました。

いくら素晴らしい製品やサービスを生み出したとしても、業界内の環境によっては収益につながらない可能性もあります。新しい事業を始める際には、ファイブフォース分析を用いて自社が参入する業界内の環境を把握することから始めてみましょう。