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今さら聞けない「ROE」と「ROA」

2021年10月 6日
経営管理 会計・財務

会社経営で、収益性の分析は非常に重要な意味を持ちます。では、その分析に使用される「ROE」や「ROA」を正しく理解しているでしょうか?

今回は、それぞれの指し示す内容と合わせて、違いや改善ポイントを紹介していきます。

「ROE」とは

「ROE(Return On Equity)」は日本語で「自己資本利益率」を意味します。

自己資本とは株主によって出資された資本(資本金、資本準備金、利益準備金など)を示しており、この自己資本を使ってどの程度利益を出しているのかを示す指標がROEです。

ROEは以下の公式から導き出すことができます。

「ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」

ROEからは、その会社がいかに効率的に自己資本を運用して利益を出せているのかを判断することができるため、株式投資の指標としても利用されます。株主の視点では「ROEが高い会社=効率よく稼いでいる会社」という判断になることから、投資家からの支持を集めたい場合はROEを向上させることが不可欠と言えるでしょう。


「ROA」とは

「ROA(Return On Assets)」は日本語で「総資産利益率」を意味します。

こちらの指標は、会社が持っているすべての資産(流動資産、固定資産、繰延資産)を利用して、その会社がどの程度の利益を出しているのかを示すものです。

ROAを求める公式は、以下の通りです。

「ROA = 当期純利益 ÷ 総資産額(総資本額) × 100」

ROAを見ることで、その会社では資産がどのくらい利益に貢献しているのか、どの程度効率よく使われているのかを判断することができます。会社における資産はその大部分が営業活動や事業継承のために利用されているはずなので、この指標の数値によっては事業投資のあり方を根本から見直す必要が出てくると言えるでしょう。

それぞれの違いと改善ポイント

ここまで見てきたように、ROEとROAでは計算式における分母に違いがあることがわかります。この分母の違いは、数値の比較を行う際に影響します。

ROEは株主からの出資に対してのリターンを示す数値であるため、異業種間で経営状況を比較する際にも用いることが可能です。しかしROAは、その会社の持つ総資産に対してのリターンを示していることから、設備投資の割合などが異なる業種との比較には効果を発揮できません。こちらの指標は、同業他社との比較や、同じ会社の年度別の経営推移を分析する際に使用すると良いでしょう。

ROEとROAの数値は、それぞれ10%前後であれば優良とされています。この数値を目指すためには、以下のような改善ポイントを押さえることが必要です。

ROEの場合ROEの改善には、「売上高純利益率を上げる」「総資産回転率を上げる」「財務レバレッジを上げる」の3つのアプローチが考えられます。この3つが重要となる背景には、ROEの計算式に秘密があります。ROEには先述した公式とは別に、以下のような公式も存在します。

「ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ」

こちらの公式は乗算式ですので、それぞれの数値を上げることでROEを上昇させることができるのです。

ROAの場合ROAの改善には「利益の額を増やす」または「総資産の額を減らす」の2種類のアプローチが考えられます。こちらは先述のROA公式の分子を増やす、または分母を減らすことで、結果としてROA自体が改善されるという単純なものです。

利益額を増やすことは経済全体の影響も関係するため難しいことも多いですが、オフィスを縮小する、在庫を整理するなどの方法で総資産の額を減らすことは可能です。この数値が改善されることは会社の財務状況の整理にも繋がりますので、一度見直してみることをおすすめします。


まとめ

今回は経営分析の指標となるROE、ROAをご紹介しました。

自社の経営改善のほか、投資家から見て価値のある企業に育てていくことも経営陣の手腕の見せ所です。まずは自社の数値を確認するところから始めてみましょう。