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資金調達の基本「エクイティ」を押さえる

2021年10月20日
会計・財務 ビジネス用語

会社の規模拡大や、ビジネスの加速のために必要となってくるのが「資金」です。

資金の調達方法の1つに、投資家への新規株式発行を経て資金調達をする「エクイティ」という方法があります。この記事では、「エクイティ」の基本についてご紹介いたします。


エクイティとは

エクイティとは、直訳すると「株式」「株主資本」のことを指し、新規株式の発行で調達される、返済義務のない資金を指して用いられる言葉です。

エクイティは返済義務がありませんので、バランスシート上では純資産の部に計上されます。

具体的には、公募(時価総額での新株発行)や私募による増資(普通株式発行)や転換社債型新株引受権付社債(CB)、優先株の発行などがこれにあたります。原則として返済期限の定めない資金調達であり、財務体質を強固にする効果があります。

エクイティとデットの違い

資金調達の方法は、大きく分けて2つあります。今回の記事のテーマである株式発行による資金を調達する「エクイティファイナンス」と、主に金融機関の借入れである「デットファイナンス」です。

エクイティとデットの違いは、バランスシートの形状部門・返済義務の有無・返済利息・投資家への影響が挙げられます。

エクイティは、バランスシートでは純資産の部に計上されます。デットファイナンスのような銀行借り入れを申し入れる際にも、純資産の部が大きいことは有利に働きます。また、原則として返済の義務はありません。しかし既存の投資家への影響は大きく、投資家向けの説明会を行う必要性が発生することもあります。

一方デットは、バランスシートでは負債の部に計上されます。負債の部に計上されるので、さらなるデットでの資金調達は難しくなります。原則返済の義務があり、それによって返済利息も発生します。しかし、エクイティと異なり、投資家への影響は多くありません。

資本となるエクイティ、負債となるデッド。財務面を考えるとエクイティの方がメリットが大きいように見えますが、果たしてそうでしょうか。次はエクイティのメリットとデメリットをご紹介します。


エクイティのメリット・デメリット

それではエクイティのメリットを見ていきましょう。エクイティのメリットは大きく3つあります。

1つ目は、自己資本として扱うことができることです。
その事により、加速させたい事業にすぐに投入することが可能です。また、自己資本が増加することにより金融機関からの信頼度も上げることができます。

2つ目は返済不要という特徴から利息も不要となることです。
経営にとって、返済利息はなるべく抑えたい項目ですよね。エクイティではそもそも利息が発生しないので、経営にとって嬉しい面といえるでしょう。

3つ目は赤字の際でも調達できる可能性があることです。
デットに代表されるような融資では、その時の財務状況によって調達ができないこともありますが、エクイティでは将来の可能性を軸に投資の判断をされます。よって、現状赤字でも資金調達の可能性が高まるのです。

このようにメリットの大きいエクイティですが、デメリットも大きく3つあります。

まず1つ目は、既存の投資家への説明が必要となることです。株が増えることによって一株あたりの比重が変わってくるので、既存株主には何のメリットもありません。場合によっては株主説明会を開催する可能性も出てくるので、注意が必要でしょう。

2つ目は経営権が弱まる可能性があるということです。株式会社である以上、株主の意向は無視できません。少なからず経営の自由度が下がることは考慮に入れる必要があるでしょう。

3つ目は配当政策を見直す必要が出てくることです。新規株式発行により、既に発行されている総株数、個々の株主の持ち株比率は変化します。配当政策を見直さないでいると、配当金が増えすぎて経営を圧迫する事態になりかねません。


まとめ

今回は資金調達方法の1つであるエクイティについて紹介しました。

メリットが大きいように見えますが、デメリットの部分も楽観視はできません。自社の状況を十分考えた上で、自社に適した調達方法を選択していきましょう