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資金調達の基礎知識を身に付けるための隠しコマンド

2021年 5月13日
資金繰り 起業

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。

1980年代に初代ファミコンを触っていた世代であれば、このキーワードにピンとくるのではないでしょうか。

「上上下下左右左右BA」

かく言う私も子供の頃に呪文のように唱えた某ゲームの隠しコマンドです。
30年以上たった今でも、自然と口ずさんでしまうフレーズの破壊力に感服するとともに、この隠しコマンドを世に出したプログラマーの遊び心は大人になっても忘れたくないものですね。それはさておき、、、

会社経営を行う上で資金調達は避けて通れないものです。資金調達について最低限の基本的な知識を身に付けたうえで会社経営を行わないと、後悔してしまう羽目になりかねません。

今回は、「これから資金調達を考えている方」「追加で資金調達しようとしている方」「資金調達をしようとしている人にアドバイスをする立場の方」に向けた、資金調達の基礎知識を身に付ける隠しコマンドをお教えいたします。


資金調達の隠しコマンド「左右右右」

資金調達の基礎知識を身に付ける隠しコマンドとは「左右右右」です。
どういうことを意味しているか、これからご説明します。

経営者として必要とされる“力”の1つに決算書の読解“力”があります。決算書とは、貸借対照表と損益計算書をセットで呼ぶときに使う言葉です。

では、ここで質問を1つ。
今回のテーマである、資金調達において、知識の深堀りが必要になる決算書とは貸借対照表と損益計算書のどちらだと思いますか?

正解は、貸借対照表です。

貸借対照表は別名B/S(ビーエス)、バランスシート(Balance Sheet)と呼ばれています。貸借対照表の左側には資産(財産の状況)、右側には負債と純資産(資金調達の手段)が記載されています。

「左右右右」というのは、この貸借対照表の左右のことです。


貸借対照表から資金調達の手段を考える

資金調達というと、貸借対照表の右側をイメージする方が多いですが、実は、左側にも資金調達の手段が1つあるのはご存じでしょうか?

貸借対照表の左側には、資産として売掛金や受取手形が記載されています。これは会社の財産として持っているものですが、資金調達の道具として使うことができます。それは、いわゆる「ファクタリング」と呼ばれる、売掛金(近未来にお金が入ってくる権利)の現金化です。

この方法は、もともと売掛金や受取手形などを持っている場合に選択できる資金調達方法で、一言でいえば「換金」です。持っている手形を期日前に現金化する「手形の割引」は昔からあるファクタリングですが、昨今はWEB上で売掛金を早期に現金化できるサービスもあります。

会社の車や土地、建物を売って現金化する行為と似ていますが、形があるものではなく、債権(権利)を現金化するという行為になります。どちらかというと、小規模事業やスタートアップなどの少額資金を調達するための手段で使われることが一般的です。ただし満額換金ではありませんので、しっかりと考えてから活用しましょう。

次に右側の資金調達について解説します。

貸借対照表の右側は“上”が負債、“下”が純資産となっています。右側資金調達の手段は、上の負債に1つ、下の純資産に2つの、3つがあります。
中級以上になると、さらにいくつかの資金調達方法が出てきますが、この初級編では右側は3つとしてご説明します。

まず、上の負債側での資金調達手段とは、銀行からの借金です。
銀行から借金をする際には、決算書の提出を求められるケースが大半です。そのため、事業を立ち上げたばかりであったり、ちゃんと帳簿を付けていないとお金を貸してもらえないケースがあります。また、担保や保証人を付けないと借りられないケースもあるため、それなりの財産や信用を求められることがあります。

ただし、小規模事業者やスタートアップ企業でも借りることのできる制度融資(日本政策金融公庫など)もありますので、事業の規模感に合わせて借金をしましょう。
ちなみに当然のことですが、借金をすると元本返済と利息支払いをしなければならないという特徴があります。

続いて、下の純資産側の2つの資金調達手段には、株の所有が関係します。

1つは「自己資金を用意する」ということです。
たいていの経営者は自己資金を用意して事業をスタートさせているかと思います。自分のお金でスタートするので“株式の発行”という概念はあまりないかもしれませんが、実質的には自分で自分の会社の株を持って経営をしています。

もう1つは「他人にお金を出してもらう」ということです。
会社の株式を何枚か渡してお金を調達する方法、いわゆるファンドやVC(ベンチャーキャピタル)から出資をしてもらう、というものになります。原則として、調達したお金は返す必要がありません。この「返済する必要がない」というところが銀行からの借金と決定的に違うところです。
返済しなくてよいという点では非常にメリットですが、株式を渡すということは、経営にも口を出してくることを意味し、持ち株割合によっては、自分の会社ではなくなってしまうというケースも出てきます。

まずは貸借対照表の構造を理解しよう

今回は、資金調達の手段として「左右右右」の4つをご説明いたしました。

起業したばかりのスタートアップ企業は、所有財産や信用の関係上、銀行からの借金が難しいケースがあるので、ファンドやVCからの資金調達は非常に有効です。ただし、渡す株式の割合については慎重に行う必要があります。そのためにも、まずは基本的な貸借対照表の構造を理解する必要があります。

また、銀行からの借金でも、ファンドやVCからの資金調達でも、お金を調達した相手に対しては、必ず決算書の提出が求められます。

「調達したお金が、どのような状態になっているのか?」を報告するのが貸借対照表ですので、資金調達を考えている場合には、少しでも構いませんので貸借対照表の知識を身に付けることをお勧めします。(詳しくは「貸借対照表(B/S)を見るコツ」ブログをご覧ください)

「左右右右」

会社経営においても資金調達に苦労しなくていい”隠しコマンド”があるといいのですが、、、