中小企業がインターンシップを開催するメリット
近年、優秀な人材を獲得するための手段としてインターンシップが注目を集めています。新たにインターンシップを実施し始める中小企業も年々増えてきていますが、中小企業のインターンシップ実施にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
今回は、中小企業がインターンシップを実施するメリットや注意点についてご説明いたします。
インターンシップが注目される背景
インターンシップとは、就職活動前の学生に対し、企業が自社での仕事を実際に経験する機会を提供する制度です。インターンシップを実施する企業は年々増加しており、学生の中でも就職活動の一環としてインターンシップに参加することが一般的となってきています。
インターンシップがこのように注目を集めている理由は、主に2つあります。
まず、就職活動の早期化です。新卒採用のスケジュールは日本経済団体連合会によって定められていますが、採用活動期間は徐々に短くなりつつあります。そのため、企業は採用活動にはみなされないインターンシップを導入することにより、採用活動解禁に先駆けて優秀な学生と出会い、時間をかけて選考を行うという手段を取るようになったのです。
次に、入社後の早期離職を防ぐことができる点が、企業がインターンシップに力を入れる要因として挙げられます。
現代では、新入社員が入社後わずか数ヶ月、早ければ数日で退職してしまうことも多く、ひとつの社会問題にもなっています。これには様々な理由が考えられますが、就職先の業務内容や社風が就職活動中にイメージしていたものと異なっていたことが原因で、退職してしまう新入社員が少なくないようです。企業としては、せっかく新卒採用を行っても、早期に退職されてしまうと採用活動にかけたコストが無駄になってしまいます。
しかし、事前にインターンシップを通じてお互いに理解を深めた上で採用することができれば、このような入社後のミスマッチを防ぐことができます。インターンシップの導入は、社員の定着率の向上にも繋げることができるのです。
中小企業がインターンシップを実施するメリット
では、中小企業がインターンシップを実施するとどのようなメリットがあるでしょうか?
先述したように、早期に優秀な学生と出会うことができる点、入社後の早期離職防止に繋がる点は、インターンシップが注目を集める背景であると同時に中小企業にとってメリットでもあると言えます。
その他に、インターンシップが自社の広報活動としても有効である点も、インターンシップが持つメリットのひとつです。
多くの中小企業は大企業と異なり、社会的な知名度が低い上、広報活動にかけられる資金や人材も不足しています。このような中小企業にとって、インターンシップは学生に自社のことを認知してもらえる絶好の機会であると言えます。
インターンシップに参加してもらうことができれば、企業の名前だけでなく業務内容や社風、福利厚生制度などを実際に体感してもらうことができます。中小企業にとってインターンシップは、自社を学生の就職先の候補に加えてもらうための広報活動としても活用することができるのです。
実施する際の注意点
様々なメリットがあるインターンシップですが、実施する際には注意しなければならない点があります。ここでは、中小企業がインターンシップを行うにあたって抑えておくべき注意点を2つご紹介します。
まず1つ目は、学生に対してきちんと事前説明を行うことです。自社の事業や就業する上でのルールやインターンシップ期間中に体験してもらう仕事内容などを明確にしておくことで、学生は自分のすべきことを具体的にイメージできます。
また、いきなり業務に当たらせるのではなく、事前説明の際に学生からの質問に応じるなどしてきちんと学生と向き合う姿勢を見せることで、信頼関係を築くことにも繋がります。
2つ目のポイントは、学生と社員がコミュニケーションを取りやすい環境を作ることです。インターンシップ実施の際、学生の指導は経営陣や人事担当者ではなく、現場の社員が担当します。学生に有意義な経験をしてもらいインターンシップを自社のアピールに繋げるには、担当社員と学生が円滑にコミュニケーションを取ることができる環境が必要です。
具体的には、若手社員を指導の担当にする方法が有効といえるでしょう。比較的学生と年齢の近い若手社員であれば学生も質問や発言がしやすくなる上、若手社員にとっても後輩の指導や教育の経験を積むことができる良い機会となるでしょう。
まとめ
以上、中小企業がインターンシップを実施するメリットと注意点についてご説明いたしました。
少子化が進む中、いかにして未来を担う人材を獲得していくかということは企業にとって大きな課題であると言えます。優秀な学生と出会うための手段としてインターンシップを上手く活用し、自社の成長や発展に繋げていきましょう。