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【経営ウォッチ】コロナ禍で新事業参入に挑む鳥貴族

2021年11月22日
経営管理 営業/マーケティング

コロナ禍を経験し、多くの飲食店が大変大きな打撃を受けました。特に、居酒屋など夜営業中心の店への影響は想像以上のものだったと言えます。

そんな中、居酒屋チェーンを営む鳥貴族ホールディングスが新事業への参入を明らかにしました。今回は、未曾有のピンチの中で新事業に挑戦していく鳥貴族ホールディングスの経営について見ていきます。


コロナをきっかけに持株会社に

鳥貴族ホールディングス(以下、鳥貴族HD)は、コロナ禍をきっかけに企業の体制を「持株会社制」へと移行しました。

持株会社制は、一つの会社を親会社とし、複数の子会社の株式を親会社が所有する形で事業を進めていく組織形態を指します。一般的な企業体制とは異なり、組織の意思決定全般を親会社が、実際の事業運営は子会社が行うことになります。

業務管理のコストが増加するなどといったデメリットはありますが、企業全体を見据えた経営戦略が練りやすくなり、組織全体の意思決定を迅速化できるという特徴があります。

鳥貴族はこれまでその強いブランド力をもとにして、効率の良い経営をしてきました。しかし、コロナをきっかけに、居酒屋事業1ブランドでの経営は大変厳しくなります。

そこで、将来を見据えた新事業の立ち上げとそれに関わる人材の成長を目的とし、持株会社制へと舵を切ったのです。

居酒屋事業からバーガー事業へ

組織形態を変更した鳥貴族HDは、2021年8月、東京の大井町に「TORIKI BURGER(トリキバーガー)」をオープンさせます。居酒屋事業から継続して国産の食材にこだわりつつ、「チキンバーガー専門店」という新規事業に取り組み始めたのです。

提供するバーガーやセットの料金は一律、テリヤキバーガーを「焼鳥バーガー~てりやき~」とネーミングするなど、新規事業にも鳥貴族の特徴は受け継がれています。店舗カラーやキャラクター等も鳥貴族とリンクさせており、組織全体としてのブランディング戦略が各所に見受けられます。

鳥貴族HDは長期的にはトリキバーガーの海外展開も考えているといい、中期経営計画でもトリキバーガーを鳥貴族と同規模の事業にしていくと発表しています。コロナ禍でも好調だったファストフード業界への参入を契機に、さらなる組織の拡大を狙っているのです。

新規事業参入から見る「強み」

コロナ禍中に大きな経営判断ができた背景には、鳥貴族HDの経営陣が持つ柔軟さがあったといえるでしょう。

リモート勤務にオンライン会議、デリバリー/テイクアウトの普及など、コロナ禍がもたらした日本社会の変化は数え上げるときりがありません。「これまではこのやり方で成功してきたから」と過去の経営方針や事業戦略にこだわっていては、企業として勝ち残っていけない時代に一気に転換してしまったのです。

「今までのやり方が難しいから諦める」「状況が戻るまで我慢して耐える」といった消極的な姿勢ではなく、「『今』だからこそできることはないか」「顧客に『今』求められるキャッシュポイントはないか」という貪欲にチャンスを見出していく柔軟さこそが、これからの時代に必要な経営視点ではないでしょうか。


まとめ

今回は、ピンチをチャンスに変えるべく経営を見直した鳥貴族HDをご紹介しました。

IT化やグローバル化が進み、変化の激しくなった現代では、経営陣のスピード感と柔軟さがこれまでよりも更に求められることになります。大手企業よりも柔軟に、早く動いていくという意識を持てば、中小企業の利点をさらに活かした経営が実現できるでしょう。