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【決算書で見る】マクドナルド V字回復の戦略①

2021年11月29日
経営分析 トレンド

大手ファストフード企業である「マクドナルド」。緊急事態宣言下でも行列ができているのを見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

外的要因をもろともせずに圧倒的なリピート客を集めているそんな大手ファストフードですが、過去に業績低迷でどん底を味わっていました。

このブログでは3回にわたって、そんな大手ファーストフード店マクドナルドの知られざる業績秘話について決算書を交えながら紐解いていこうと思います。

参考URL:https://www.mcdonalds.co.jp/company/outline/kessan/


低価格路線からの脱却と不祥事で過去最大の業績悪化

今回、日本マクドナルドホールディングス株式会社(証券コード:2702)の1期~19期の決算公告(2003年~2021年)の財務諸表を基にして業績の変化を紹介します。
※財務諸表とは、決算までの一年間の経営成績と財務状態を明らかにするための書類で「決算書」とも呼びます。会社の「健康診断結果」のようなものです。

マクドナルドの20年間の業績を数字にまとめたものが下記です。

2009年に最高売上の4,058億円を記録し、2014年までは売上を落としつつも当期純利益は維持する業績となっていました。しかし、2014年から2016年にかけて売上高だけでなく、当期純利益の数値も低下していることがわかります。

2013年の売上高は2941億円であったにもかかわらず2016年には1894億と、1000億円近く売上を落としています。数値を少し詳しく見てみましょう。
売上高は、2013年に2941億円、2014年に2598億円と前年比11.7%減。さらに2015年、2016年と売上減が14%超えとなっています。

ではこの3年間にマクドナルドで何が起こったのでしょうか?

売上低下の原因は、「価格破壊戦略の転換」と「使用期限切れ鶏肉問題」の大きく2つにあります。

まず価格破壊戦略についてですが、1996年~1999年のデフレ不況などによりマクドナルドはハンバーガー価格の大幅な値下げを実施しました。ある期間ではハンバーガーが「59円」と最安値を更新したこともありました。

そして、2003年に原田泳幸氏が社長に就任し2005年~2013年4月に120円に値上げするまで「100円マック」として展開しました。しかし、2013年春の終わりから、より客単価を上げるという狙いから高付加価値商品である「クォーターパウンダー」などの高単価な商品を数多くリリースし、7月には単品価格1,000円もするような商品まで販売しました。

そうした高価格な新商品が「100円マック」と比較したときの満足感の低下を招き、低価格ニーズ客が疎遠になる出来事が起きました。

そして同時期に「使用期限切れ鶏肉問題」「異物混入問題」が発生。これは2014年7月22日に、「チキンマックナゲット」の生産をおこなっていた中国・上海の食品会社が使用期限切れの鶏肉を供給していた問題です。

当然こうした報道に対して敏感なのが、ファミリー層や主婦層です。この問題が「高単価商品の投入」にプラスして売上に追い打ちをかけたと言えます。


大きな打撃を受けた事業をどのようにV字回復させたのか

様々な問題から業績悪化が続いたマクドナルドは、どのようにしてV字回復することができたのでしょうか?

まず、2013年~18年にかけての利益推移を見てみましょう。

売上高は、2017年に前年比119.6%増の2266億円を達成。2018年には111.9%増の2536億円で2期連続の大幅回復となりました。

営業利益も順調に回復しています。2017年は70億円。2018年は282.9%増の198億円を達成。2014年、2015年は多くの問題で大幅な減収減益となっていた時期でしたので、2016年~2017年を境にV字回復を遂げたと言えます。


まとめ

第1回目の今回は、マクドナルドの業績悪化の要因とV字回復の推移を数字で見ていきました。次回は、V字回復の要因と戦略について紐解いていきます。