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【経営ウォッチ】「勝手にバズる」山崎実業の秘密

2022年 3月17日
経営管理 営業/マーケティング

整理収納情報を発信するブログやInstagramのアカウントで、愛用品としてよく取り上げられている「tower(タワー)」シリーズをご存知でしょうか?

100円ショップでもあらゆるものがお手頃に手に入る世の中ですが、そんな中でも「tower」シリーズはひと際目を惹く存在になっています。

今回の【経営ウォッチ】では、「tower」シリーズをはじめとした、便利で「映える」グッズを生み出し続けている山崎実業の秘密に迫ります。


暮らしの不便を気づかせる商品

山崎実業は1971年に奈良県でスタートし、創業50年を迎えた老舗のインテリア雑貨専門メーカーです。

こちらのメーカーでは機能性だけでなく、部屋の空間やインテリアに馴染むデザイン性の高いアイテムを次々に発表しています。

例えば、ゴミが入り込まずお手入れがぐっと楽になるコンロの排気口カバー。
複数種類がありますが、「棚付き伸縮排気口カバー」は上に物を置くこともできるようになっており、狭いキッチンの収納力を上げてくれる主婦の強い味方です。

米びつも、山崎実業の「1合分別 冷蔵庫用米びつ」はただの米びつと一味違います。
この米びつは中に仕切りがついていて、袋から米を移すと自動的に1合ずつに分けて保管しておくことができます。
こちらの米びつを利用すれば、忙しい夕飯支度時にいちいち1合、2合…と計量する必要がなくなるのです。

また、近年はコードレスクリーナーを愛用している家庭が増えてきていますが、扱いやすく便利な反面、立てかけておくと倒れてきたり、付け替えのパーツの保管場所に困ったりといったデメリットもあるのが実情です。

しかし、山崎実業の「スティッククリーナースタンド」や「コードレスクリーナースタンド」にはこのデメリットをカバーする特徴があるため、全てをスムーズに収納できますし、スタンド自体もシンプルでどんなお部屋でも馴染んでくれます。

すごく困るわけではないけれど、なんとなくもやもやする…。
そんな暮らしのストレスを利用者に気づかせてくれて、一度使ったらその便利さゆえに手放せなくなる。
まさに痒い所に手が届くのが山崎実業の製品なのです。


「ユーザーによるアレンジ」の影響

ユーザーが実際に使ってみることで潜在的な不満やストレスに気づけるような商品を生み出し、スタイリッシュな見た目と合わせてSNSで口コミが広がる…そんな山崎実業の商品ですが、特徴的なのはその目の付け所だけではありません。

山崎実業の特徴は、メーカーが打ち出す本来の使い方だけでなく、ユーザー自身が新しい使い方を生み出しているところにもあります。

例えば、「ポリ袋エコホルダー」。
この商品はその名の通り、ポリ袋をひっかけることで三角コーナーの替わりに生ごみを入れることを目的として生まれた商品です。

しかし、ユーザーはそこに「保存袋をかけて中身を入れやすくする」「ペットボトルや水筒を乾かす」「鍋やフライパンのふた置きにする」というように、使い方に各自のアレンジを加えています。

この動きは「自分が新しく発見した使い方を知ってほしい!紹介したい!」という考えからユーザー自身のSNS投稿に繋がり、その使い道に共感した別のユーザーが商品を購入する、さらに投稿する…というように商品が勝手に宣伝されていく流れを生み出していきます。

このようなユーザーによるアレンジから始まる『バズり』は単なる偶然ではありません。

山崎実業では、ユーザーが商品自体を自分ごととして捉えやすいように、コラムや漫画形式で商品を紹介するサイト作りを行い、「私の使い方」を生み出しやすい環境を整えています。
そのことがユーザーを惹きつけ、新しい「私なりの使い方」を生み出して各自発信し、共感を生んだものが拡散されるという流れを生んでいるのです。

その上で生まれた新しい使い方を山崎実業側が製品の特長として同社のSNSなどで紹介することにより、ユーザーをファン化するための施策も行っています。


まとめ

ユーザーの潜在的不便をくみ取ったうえで、使っていくうちに新しい使い方を生み出しやすいシンプルな商品を作り、自分ごととして受け止めてもらえるような売り出し方を考える。

SNSの存在が当たり前で、消費者一人一人に発信力と拡散力がある今の時代だからこそ、山崎実業の「勝手にバズる」手法には大いに注目すべきではないでしょうか。