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営業必見!ビジネスフレームワーク10選(前編)

2022年 5月 6日
業務改善 営業/マーケティング ビジネス用語

こんにちは。YKプランニング営業本部長の宗近です。

営業現場において、「今売っている商品の価格は妥当なのだろうか?」「昨年と同じ売り方を続けていてよいのだろうか?」など、さまざまな悩みや課題が生じます。営業活動にはさまざまな要因が関連していますので、効果的に営業プロセスを進めるうえで、「営業戦略」を立案していくことが重要になります。

「営業戦略」とは、会社の業績を向上させるための中・長期にわたる、人材や資金といった営業活動全体の方針や総合的な目標を指します。

上述の通り、営業活動にはさまざまな要因が関連していますので、「営業戦略」を立てていくためには多くの検討事項が生じます。そういった検討事項を網羅的に整理し、悩みを解決するツールとして「ビジネスフレームワーク」があります。
営業現場で活用できるビジネスフレームワークを10個に絞り、今回の前編ではその中の5つについてそれぞれの概要について説明していきます。


ビジネスフレームワークとは

フレームワークは、「枠組み」や「構造」といった意味を持つ言葉です。

したがって、ビジネスフレームとはビジネスにおいて何らかの課題解決を図る際の考え方を整理するための枠組みのことをいいます。さまざまな課題に対してビジネスフレームワークを活用すれば、情報が整理され、目的達成への道筋を見つけやすくなります。

ただし、目的によって使用するビジネスフレームワークも異なるため、注意が必要です。誤った使い方をすると情報が上手く整理できず、本来の目的を達成できなくなる恐れもあります。そのため、目的に合ったビジネスフレームワークを選んで活用しましょう。

ビジネスフレームワークのご紹介

■3C分析
3Cとは、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合他社)、Company(自社)のことで、これらを分析することで事業の方向性を決めることができます。自社だけでなく、取り巻く環境など、基本的な要素を理解したうえで他のフレームワークにも応用展開できるので、最初に活用するフレームワークとしておすすめです。

・Customer(顧客・市場)分析
Customer(顧客・市場)分析では、顧客の属性、特徴、行動などを分析します。
市場分析では、特定の業界を分析するミクロ分析、景気や社会の変化を見極めるマクロ分析をおこなうようにしましょう。

・Competitor(競合他社)分析
Competitor(競合他社)分析では、競合他社の実績や商品サービスの特性、シェアの状況など、総合的に分析をおこないます。

・Company(自社)分析
Company(自社)分析では、自社商品やサービスだけでなく、人材・物資・資金・データなどのリソース、強み・弱みも分析すれば、注力すべき点がわかるようになります。

■4P分析
4P分析は、自社がどのように販売するかというポイントに絞って戦略を立てるためのフレームワークです。Product
(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つのPを分析します。

・Product(製品)
Product(製品)は、顧客に価値を提供する重要な項目です。顧客が自社の製品を利用したら、どのようなメリットを享受できるか考える必要があります。品質や耐久性はもちろんのこと、デザイン、パッケージ、保証サービスなど、すべての要素を含めて分析します。

・Price(価格)
Price(価格)は、顧客が商品を購入するうえで重要な関心事項です。
製品は値段に見合っているか、市場において適正価格か、他社と比べて競争力はあるかなど、あらゆる角度から検討が必要です。

・Place(流通)
製品と価格が決まると、Place(流通)、つまりどうやって売るかという販売経路を検討します。実店舗、ECサイト、百貨店など、顧客行動を踏まえながら決める必要があります。また、当然ながら流通経路を一つに絞るのか、複合的に検討するのか、総合的な検討が必要になります。

・Promotion
(販売促進)
最後に、「どうやって顧客に製品をアピールするか」をPromotion(
販売促進)の観点から考えます。どれだけ良い製品を作っても、知ってもらえなければ手に取ってもらえません。

■SWOT分析
SWOT分析とは、

Strength:強み(プラス要因・内部環境)
Weakness:弱み(マイナス要因・内部環境)
Opportunity:機会(プラス要因・外部環境)
Threat:脅威(マイナス要因・外部環境)

の4つの項目と4つの軸を用いて企業や事業の現状を把握するためのフレームワークです。


自社の社内リソースと、自社をとりまく外部要因を照らし合わせて分析することで、今後進出可能な市場領域や解決すべき事業課題を可視化するのがSWOT分析の特徴です。

・外部環境の分析
SWOT分析を行う際は内部環境からではなく、外部環境の分析からおこないます。これは、外部環境の分析に起因して、分析する内部環境の内容が変わってくるからです。外部環境の分析では、競合他社の様子や市場の動向(ミクロ分析)、事業に関連した法整備や景気、社会動向についての分析(マクロ分析)をおこない、それが自社にとって「機会」となるのか「脅威」となるのかを整理していきます。
より自社に近い視点でのミクロ分析には前述した「3C分析」、より俯瞰的な視点でのマクロ分析には後述する「PEST分析」が有効です。

・内部環境の分析
自社を取り巻く環境が見えてきたら、次に内部環境の分析をおこないます。
内部環境の分析では、社内の経営資源を見直し、ブランド力や提供サービス、プロダクトの質、価格等に関する分析をおこないます。内部環境を分析する際は、「競合他社と比較して」差別化されている点に注目しましょう。
市場機会を自社の強みと混同しやすいので、「競合他社も同じ強みを持っていないか」という点に留意する必要があります。そのため、内部環境の分析は前述した「4P分析」のフレームワークが有効です。

■PEST分析
PEST分析とは、主に経営戦略や海外戦略等の策定、マーケティングをおこなう際に使用するフレームワークで自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、現在または将来にどのような影響を与えるか、把握・予測するための手法です。

P=Politics(政治)
E= Economy(経済)
S=Society(社会)
T=Technology(技術)

の4つの視点で分析することから、それぞれの頭文字をとり「PEST」といいます。経営学者でマーケティングの第一人者、ノースウェスタン大学ケロッグビジネススクールの教授、フィリップ・コトラー氏が提唱したものです。余談ですが、今から20年以上前に私がマーケティングの勉強をしていたときに父から「コトラーのマーケティング入門」という700ページくらいのマーケティング専門書をプレゼントされました。私のマーケティングの原点はコトラー先生から始まったのだなと思うと感慨深いものです。

Politicsでは、ビジネスを展開するうえでハードルとなるような規制、法律、政治動向などを分析します。Economyでは、経済水準や所得変化、為替や金利などを分析します。Societyでは、人口動態や価値観、習慣などを分析します。Technologyでは、ビジネスに影響を与えうる技術的な動向の分析をおこないます。

■5W1H
5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(何故)、How(どのように)の頭文字をとった言葉で、ビジネスの現場のみならず世間で広く知られているフレームワークです。情報伝達・共有、文章構成、アイデア出しなど、ビジネスのさまざまな場面で活用できるフレームワークです。ものごとを「いつ→どこで→誰が→何を→何故→どのように」の順番で構成することで、6つの局面に簡潔にまとめ上げることができるので、自分自身の頭の整理から他者への伝達の効率性を高める役割を担います。


まとめ

今回は営業戦略立案に際して役立つビジネスフレームワーク10選のうち、5つのフレームワークを説明しました。それぞれのフレームワークは独立しているものではなく、状況に応じて複合的に活用することが重要になります。