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自社プロダクトの成長率とライフサイクルとは?

2022年 7月19日
経営管理 営業/マーケティング

こんにちは、YKプランニング管理本部長であり公認会計士の丸山です。

みなさんは、自社の商品・製品・サービスの成長率について説明できますか?
なんとなく説明できたとしても、具体的な数値や文章を組み合わせて表現できる方は少ないかもしれません。

数値で計算する方法はどうやればいいの?
文章で言語化するには何を参考にすればいいの?

結局のところ具体的な手順が分からない!!という声が聞こえてきそうです。

そこで、今回は「自社プロダクトの成長率とライフサイクル」の整理手順について解説します。


自社プロダクトの成長率とライフサイクルを探る3つのステップとは?

先に申し上げておきますが、自社プロダクトの成長率とライフサイクルを把握するための手順は3つのステップだけおこなえば十分です。これ以上のことを深く考えればきりがありません。

まずは、3つのステップを表計算ソフトに整理することからスタートしてみましょう。
Step1 プロダクトライフサイクルを理解しよう
Step2 売上高の成長率を把握しよう
Step3 自社プロダクトごとの成長率を把握しよう


【Step1】プロダクトライフサイクルを理解しよう

まず、プロダクトライフサイクルってなんだったっけ?からスタートしましょう。

一般的にいえば、自社の商品・製品・サービスが市場に出始めてから消えていくまでのプロセスを「導入期(introduction)」「成長期(growth)」「成熟期(maturity)」「衰退期(decline)」の4つに区分して、これを売上の推移で表現することが多いでしょう。

つまり、商品・製品・サービスの“一生”と言い換えることができますよね。

グラフで表せば下の画像のように、横軸を時間、縦軸を売上で表現することもできます。
さて、市場に投入された自社プロダクトが、順調にライフサイクルを進むとすると、時間の経過とともに

導入期(introduction):まだまだショボい
 新しい市場に投入されたばかりで、まだまだ売上は少ない

②成長期(growth):がっつり伸びる
 売上が一気に伸び始めて、市場がどんどん大きくなる

③成熟期(maturity):いい感じで仕上がる
 売上が安定して、市場の大きさが上限に達するため、シェアの奪い合いが激化する

衰退期(decline):ダラダラ落ちる
 需要が徐々に衰退するため市場は小さくなっていく

の順に移りかわることになります。

結局のところ、自社プロダクトが今どのフェーズにあるのかしっかり見極めて、適切な対策を打ちましょうね!ということです。


【Step2】売上高の成長率を把握しよう

プロダクトライフサイクルを簡単に理解したら、次に、決算数値を用いて会社全体の売上成長率を算出してみましょう。

ここでは個別のプロダクト成長率を把握する前に、必ず会社全体の成長率を算出してくださいね。

会社全体を単一のプロダクトだと仮定して、どのライフサイクル段階にいるのか全体構造をつかむことはとても重要です。

成長率を算出するには決算書の準備が必要です。最低でも3~5期間の決算書を準備すると良いでしょう。2期間の決算書比較だと正確な傾向を把握することが難しいので複数年の決算書の準備を推奨しています。

準備ができたら、会計期間ごとに売上高を並べて比較してみましょう。
今回のサンプルでは4期間の決算書を準備して売上成長率を時系列で把握してみました。
計算式は簡単です。決算書と電卓があれば表計算ソフトに整理することは難しくないでしょう。
さて、4期間の決算書から3期分の成長率を算出することができました。

2017―2018:-4.7%
2018―2019:
+2.5%
2019―2020:
-5.5%

マイナス成長とプラス成長が交互に現れています。グラフを見てみると、大きく成長も後退もしていません。比較的安定しているように見えます。

業歴によりますが、会社全体としては『成熟期』であるといえるのではないでしょうか。


【Step3】自社プロダクトごとの成長率を把握しよう

さて、次に自社プロダクトごとの成長率を算出してみましょう。

計算方法は、会社全体の売上成長率と同様です。会社全体の数値か、個別のプロダクトの数値かの違いだけです。

会計データに自社の商品・製品・サービスの数値が登録されていれば会計データを活用し、それ以外は過去の販売データを活用して算出すると良いでしょう。

例えば、A商品という自社プロダクトが存在するとします。会計・販売データから各事業年度のA商品の売上高を抽出して、各年度の成長率を算出したと仮定します。

2017―2018:+1.3%
2018―2019:
+0.8%
2019―2020:
+0.3%
すべての期間においてプラス成長しています。マイナス成長がありませんので『衰退期』ではないようです。また、1%前後の小幅のプラス成長ですから、『成長期』でもありません。
会社全体の時と同じように安定期といえるでしょう。

結果、A商品については、『成熟期』であると結論付けることができます。
また、『成熟期』の基本的な特徴も併せておさえることも重要です。

まとめ

プロダクトライフサイクルは、“人間の一生”に例えられます。

導入期:赤ちゃん・幼児
②成長期:少年・青年
③成熟期:中年
④衰退期:老人

という感じですね。

あなたは、①~④の人に対して同じ接し方をしますか?

当たり前ですが、小学生と社会人への接し方は同じであるはずもなく、それぞれ異なる接し方をするはずです。

自社プロダクトについても、同様です。

現在どのライフサイクル段階にあるのか、しっかり見極めて適切な対策を打つ!!ということです。

あなたも『成長率』を起点にして、自社プロダクトをもう一度再定義し、今後注力すべきプロダクトを決定してみませんか?