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ソリューション営業実践のポイント

2022年 8月 4日
営業/マーケティング 人材育成

こんにちは。YKプランニング営業本部長の宗近です。

「ソリューション営業」という言葉を耳にされたことはありますか?
私は新卒の頃に、耳にタコができるほどソリューション営業を意識して取り組むよう教えられてきました。

競合があふれ、製品やサービスの質だけでは顧客獲得が困難な今の時代において、ソリューション営業は顧客に選ばれるうえでの有効な営業手法といえます。

今回は「ソリューション営業とは何か?」「どのようにやるのか?」また「どのようなスキルが求められるのか?」についてご紹介していきます。


ソリューション営業とは

ソリューション(solution)とは日本語で「解決する」という意味です。

つまりソリューション営業とは、顧客が抱える課題を発掘し、解決策に導くための提案をおこなう一連の営業プロセスです。従来よく見られた売り手主体の営業スタイルではなく、顧客を主体に考える営業スタイルが特徴です。

ソリューション営業においては、顧客と会話を重ねる中で、本質的にどのような課題を抱えているのかを把握していくことが重要となります。


ソリューション営業が必要な理由

近年インターネットが普及したことで、誰でもさまざまな情報にアクセスできる時代です。

そのため、営業活動において、すでにお客さまが知っているような自社商品やサービスの利点を伝えるだけでは、お客さまにとって十分な情報提供とは言えません。

その一方で、多くの情報があふれているからこそ「どの企業の、どの商品、サービスを選ぶべきか」と悩み、判断できないお客さまも多くいます。したがって、誰でも簡単に収集できる自社商品・サービス情報を繰り返しアピールするのではなく、お客さまの本当のニーズを聞き出し、それに適した解決法として商品・サービスをからめて提案することのできるソリューション営業が求められているのです。


他の営業スタイルとの相違点

営業スタイルはプッシュ型とプル型に分けられ、ソリューション営業はプル型にあたります。

プッシュ型営業の代表として、「御用聞き営業」があります。
ソリューション営業の対となる営業手法で、顧客から要望があった商品を販売する営業のことを指します。現在でも販売力のある商品やニッチな商品展開をしているケースでは有効な営業手法ではありますが、顧客のニーズが多様化し、多くの競合商品・サービスが存在する市場においては、その営業手法に工夫が求められています。

対して、プル型営業は顧客が自発的に必要性を感じて、商品やサービスに興味を持ち、行動するようアプローチをかけるものです。
プル型営業では認知の手段として、たとえばウェブサイトで商品やサービスの情報を発信します。顧客はニーズがあって検索し、たどり着いたページのサービスが解決策となると判断した場合、企業にアプローチします。
自社のサービスへのニーズがある顧客を集められる点で、プル型営業はプッシュ型営業より効率的です。

ソリューション営業ではさらに、顧客自身が気付いてすらいないニーズや問題を拾い上げます。

顕在化したニーズだけでなく、潜在的なニーズも成約へとつなげる点で、プル型営業の進化形といえるでしょう。


ソリューション営業に求められるスキル

ソリューション営業に求められるスキルは以下の3つです。

・コミュニケーションスキル
主にヒアリング(傾聴)するスキルが求められます。営業側が一方的に商品の説明をする方法ではもはや結果は得られなくなってきており、顧客をしっかりと理解するために、顧客の抱える課題をヒアリングすることが必要になります。
顧客の価値観や、目指している将来像などを徹底的にヒアリングしていくことで、営業側は顧客側の課題を探し出します。
ヒアリング力でもっとも大切なのは、共感力です。相手を否定することなく、相手の思考を第一優先に考えましょう。

・調査分析スキル
調査分析スキルは「アクセス可能な情報の分析」と「ヒアリングした情報の分析」に大別されます。前者は、インターネット上で公開されている情報などを元にした顧客の分析です。
後者は、顧客の課題に対し、どういったアプローチで解決するのが良いのか、そのために必要となる自社商品やサービスは何なのかを調査分析します。

・仮説構築スキル
課題を解決するためにどうすべきか、仮説を立てながらプレゼンテーションするスキルです。これまでに集めた情報と分析内容を元に、課題解決のためにいくつかの仮説を構築していきます。


ソリューション営業のプロセス

リューション営業の具体的なプロセスは以下になります。

①事前準備
顧客の情報を正確に把握する必要があります。調査分析スキルで上述した「アクセス可能な情報の分析」をおこなうフェーズです。これから営業をおこなう顧客がどういった事業を展開し、どのような市場のポジショニングにいるのか、事前に可能な限り情報収集しましょう。

②ヒアリング
ソリューション営業は、ヒアリングに時間をかけることが重要です。ソリューション営業の特徴は、相手の課題を把握し、解決策を導き出す点です。まずはしっかりと商談でヒアリングをおこない、課題についてのすり合わせをおこないましょう。

ヒアリングを徹底的におこなうことで、以下の顧客ニーズが分かるようになります。
・顧客自身が理解している「顕在的ニーズ」
・顧客自身も気づいていない「潜在的ニーズ」
顕在的ニーズは、顧客自身が課題や悩みについて明確に把握している状態です。
潜在的ニーズは、今まで顧客自身が気づいていなかったが、ヒアリングを通して理解できた課題のことを指します。

③プレゼンテーション
ヒアリングによって得られた顧客ニーズを念頭にプレゼンテーションをおこないます。
前述した「仮説構築」をおこなうフェーズです。ヒアリングした情報を元に顧客の本質的な課題の解決策を「仮説」として展開し、プレゼンテーションをおこないます。商品の機能をただ説明するのではなく、「どのように解決するのか」に焦点を当てて、商品のメリット・デメリットなどの説明をおこないます。

④クロージング
最後にクロージングをおこないます。商談相手によってその後のアプローチが変わります。特に、商談相手が決裁者でない場合には、改めて決裁者へのプレゼンテーションが必要か、回答をもらえる時期などを明確にしておきます。


まとめ

回は「ソリューション営業」について紹介しました。
従来のように同じ営業トークを繰り返す営業スタイルと比較すると顧客のニーズに応じて変容するソリューション営業は「難しい」といった声も耳にします。しかし、商品・サービスが多様化する現代において必要な営業スキルといえます。

ぜひこの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか?