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今更聞けない「経営戦略」と「経営計画」の違い

2023年 9月14日
経営管理 会計・財務

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。
今回は、今更聞けない「経営戦略」と「経営計画」の違いについて、わかりやすくご説明します。

とある日常、経営者と会計事務所の担当税理士との会話。

「経営戦略」と「経営計画」って何が違うんですか?
いい質問ですね。簡単に説明すると、「経営戦略」とは長期的なビジョンや企業の方向性を考える際の大枠です。一方で、「経営計画」とはその戦略を短期的・中期的にどう実行するかの具体的なプランです。
なるほど、だから“戦略なし”で“計画を立てる”のは意味がないってことですね。
まさにそうです。戦略が決まっていないと、計画も方向性を失いやすく、効率的ではありません。逆に、戦略だけで計画がなければ、戦略は抽象的なままで具体的な行動に移せません。
そうなると、「経営戦略」と「経営計画」はちゃんと連携させないといけないってことですね。
その通りです。「経営戦略」と「経営計画」は、一緒に考えて調整する必要があります。戦略に基づいた計画を作ることで、目標達成がよりスムーズになり、業績も向上するでしょう。


「経営戦略」と「経営計画」の関係性

「経営戦略」と「経営計画」には、企業の成功において密接に関連し、相互に依存しあうとても重要な関係性があります。

「経営戦略」は企業の長期的なビジョン、目的、および方向性を定義します。この戦略は、企業がどのような市場に参入し、どのように競争優位性を確立するかについて大まかな指針となります。
一般的に、経営戦略は頻繁に変更されるものではなく、企業の基本的な方向性や価値観が大きく変わらない限り、一貫したものとされます。
一方で、「経営計画」はこの戦略を短期的、中期的、または長期的に具体的な行動と目標に変換します。ここで具体化される行動計画には、市場分析、財務計画、マーケティング戦略、人員配置、リスク評価などが含まれる場合が多いです。

例えば、経営戦略がある特定の市場に焦点を当てると決定した場合、経営計画はその市場で成功を収めるための具体的なマーケティングや製品開発のプランを策定します。経営計画は、市場環境、競合状況、または内部の資源状況に応じて定期的に見直しや更新がおこなわれるべきものです。

このように、経営戦略が企業に「何を」や「なぜ」おこなうべきかに関する方向性を示すのに対し、経営計画は「いつ」や「どのように」達成するのかを具体化します。

「経営戦略」・・・何を、なぜ
「経営計画」・・・いつ、どのように

経営戦略が一度確立されれば、それが企業全体の具体的な目標と行動の方向性を導く基礎となり、経営計画がその具体的な道筋を描きます。戦略と計画は互いに補完しあい、一方が欠けると他方も機能しなくなる可能性があります。
経営戦略は方向性を提供し、経営計画はその方向性を元に具体的な行動を計画することで、企業は持続的な成長と成功を実現できるのです。この結びつきがしっかりとしている企業は、変わりゆく市場環境や競争にも柔軟に対応でき、長期的な成功が期待できるでしょう。


“戦略”と“計画”を相互機能させるための考え方

企業経営において、経営戦略と経営計画をうまく取り込むにはいくつかのステップが考えられます。
①ビジョンとミッションの明確化
企業の長期的なビジョンと短期的なミッションを明確にする。

②経営戦略の設定
ビジョンとミッションに基づき、目標市場、競争優位性、成長戦略などを定義する。

③経営計画の策定
経営戦略を具体的な行動、期限、責任者、予算に落とし込んだ計画を作成する。

④戦略と計画の連動
計画を戦略に基づいて作成し、逆に戦略も計画の進行状況に応じて微調整されるようにする。

⑤定期的なレビューと更新
戦略と計画の進行状況を定期的に評価し、必要な調整をおこなう。

⑥企業全体での共有
戦略と計画は、企業内のすべてのステークホルダーに明確に伝えられるようにする。

⑦外部ステークホルダーへのコミュニケーション
戦略と計画を外部(金融機関やビジネスパートナー)にも透明性を持って伝える。

このようなステップを経て、経営戦略と経営計画がしっかりと連携し、その実行と評価が徹底されることで、企業は持続的な成長と成功を実現できます。

まず、経営戦略を設定する際には、企業のビジョンとミッションを明確にし、それを元に長期的な方向性を決定します。この段階で、目標市場、競争優位性、成長戦略などの基本的な要素を決めます。この戦略が企業全体の「なぜ」や「何を」するのかを示す大枠となります。

次に、この戦略を具現化する形で経営計画を策定します。計画には、目標に到達するための具体的な行動、期限、責任者、必要な資源、予算などが含まれます。これが「いつ」や「どのように」達成するかの具体的な指針です。


まとめ

重要なのは、経営戦略と経営計画が密接に連動していることです。計画は戦略に基づいて作成され、戦略は計画の進行状況に応じて微調整する必要があります。このサイクルは継続的におこなわれ、定期的なレビューと更新が不可欠です。

また、これらの戦略と計画は企業内外のステークホルダー全体で共有される必要があります。企業内部のステークホルダー(従業員)全員が同じ方向を向いて行動することで、経営の効率と効果が高まります。さらに、企業外部のステークホルダー(金融機関やビジネスパートナー)に対しても明確な戦略と計画を持つことで、企業の信頼性が向上します。

まだまだ他にもたくさんの経営や会計に関する“今更聞けないこと”が存在します。一つずつわかりやすく解説していきますので、ぜひほかの「今更聞けないシリーズ」も読んでみてください。

岡本 辰徳
岡本 辰徳
株式会社YKプランニング 代表取締役社長

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。