経営計画の達成に効果的な社内会議の設計
こんにちは、YKプランニング管理本部長であり公認会計士の丸山です。
中小企業経営者のみなさま、「社内会議」をどのように運用されていますか?中小企業が成功するためには、経営計画と経営会議を含めた社内会議との連携が欠かせません。
経営計画は組織の方向性を明確にして目標達成のための戦略を策定するのに対し、社内会議はその計画を実行し、進捗を確認・調整するための手段だからです。
そのため、社内会議を効果的に実施するか否かにより業績のパフォーマンスに大きな影響を与えることにもなります。とりわけ、計画の実行段階になると「社内会議=コミュニケーション」のあり方に特に関心を払う必要があるでしょう。
そこで今回は、経営計画の達成に効果的な社内会議の設計についてご紹介します。
経営計画の達成における社内会議の在り方
経営計画と社内会議は、中小企業の成功をサポートする役割を果たす重要な要素ですが、これらはセットで考えるべきです。
なぜなら、両者は関連性があるからです。経営計画が描いた方向性や目標を実現するためには、社内会議によるその実行と進捗管理のサポートが欠かせません。ここでは、両者の関連性を3点ご説明します。
1.経営計画とリソースの割り当て
経営計画の実現に必要な全体のリソース(資金、人材、技術、設備など)が明らかになれば、社内会議はその情報をもとに、部門やプロジェクトにどれくらいリソースを割り当てるのかを具体的に決定する役割があります。また、一度リソースが割り当てられた場合でも、状況が変化することがあります。社内会議は定期的に進捗を確認し、必要に応じてリソースの調整をおこないます。
2.戦略の具体化と展開
経営計画は戦略を策定しますが、社内会議においては、この戦略を具体的な行動計画に展開する役割を担います。社内会議では、どの部門やチームがどの戦略に関与し、どのように貢献するのかを細かく議論し、行動に移す場なのです。
3.進捗管理と課題解決
経営計画がスタートしたら、進捗管理が不可欠なのは言うまでもありません。社内会議は定期的に進捗を評価し、計画の実績と課題を共有する場となります。社内会議は、問題が早期に発見され、解決策が導かれるように実施するわけですから、逆に進捗管理を怠ると、計画の未達成リスクがいっきに高まるのです。
経営計画推進のための社内会議の設計
つぎに、経営計画推進のための社内会議の設計について触れていきましょう。
中小企業の社内会議(コミュニケーション)は、会議、打ち合わせ、朝礼・終礼などさまざまなものが存在します。これらの社内会議を設計するにあたっては、基本となる1ヵ月ごとの経営のサイクルを考えるとよいでしょう。
1ヵ月のサイクルの中で、全社単位の会議、部門単位の会議、現場単位の会議に区分し、それぞれの関係性や流れを意識して、どのような社内会議が必要なのかを設計する必要があります。1.全社単位の会議
まず、毎月最低1回開催する全社単位の会議をいつおこなうのかを決定します。
全社単位の会議では、経営者や幹部が将来の方向性、目標、戦略などを議論したり、計画の進捗状況を確認し、必要に応じて戦略の調整をおこないます。
ここで大切なことは、とにかく早く実施することです。遅くとも月初1週間以内に開催する必要があるでしょう。
ここで、月次決算をどう早く締めるか問題となることも多いですが、少なくとも売上数値だけは月初5日以内に確定させる必要があるでしょう。
2.部門単位の会議
全社単位の会議を設計すると、次に部門単位の会議を設計します。
全社単位の会議が戦略や方向性などの大枠を決める会議であるのに対し、部門単位の会議は、戦略や方向性を具体的に実行推進する役割を果たします。これは部門内での進捗、課題、リソース要件などについて部門行動を決定していくプロセスですから、月に1回実施しても足りません。週次サイクルで実施するとよいでしょう。
3.現場単位の会議
さらに現場単位の会議は、日常的な統制コミュニケーションの機会を与える場として重要であり、朝礼・終礼、日々のミーティングなどが該当します。
これらも経営計画の目標達成に重要な役割を果たします。毎日ルーティン化された会議になりますが、特に営業進捗(新規獲得)、サポート進捗(解約防止)は収益に直結するため、日々の進捗管理は非常に大事です。
全社(月次)・部門(週次)・現場(日次)で必要な社内会議の設計がなされれば、それぞれの会議が経営計画とどのような関連性があるのかを明確にしておくことが必要です。
なぜなら、経営計画の実行には、組織の意思決定から情報共有に至るプロセスが何度もおこなわれるものであり、起案→承認→決定→周知などの一連のフローと前後の相互関係を担うのが各社内会議の役割だからです。
まとめ
今回は、経営計画の達成に効果的な社内会議の設計についてご紹介しました。
中小企業における経営計画と社内会議の連携は、組織の成長と成功に不可欠です。
経営計画と社内会議を密接に関連性があるものとして「一体」でとらえる組織と、そうでない組織では、会社の成長や持続性に大きな差が生まれることになるでしょう。
ぜひ経営計画策定のタイミングで社内会議の設計の見直しをおこなってみてはいかがでしょうか?

大学卒業後、金融機関のリテール営業からEY新日本有限責任監査法人での金融機関監査とIPO支援経験を積む。独立し税理士事務所を開業後、YKプランニング入社。現在は経営管理本部で予算管理とバックオフィス業務を統括。幅広い財務会計と金融の知識と経験を活かし、組織の成功に貢献するべく管理体制を強化中。
趣味はゴルフ・YouTubeで興味がない分野の動画をあえて見ること。