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今更聞けない「資金繰り」と「キャッシュフロー」

2023年10月12日
会計・財務 ビジネス用語

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。
今回は、今更聞けない会計のこと「資金繰り」と「キャッシュフロー」とはなにか?そして2つの違いについてご説明します。

とある日常、経営者と会計事務所の担当税理士との会話。

資金繰りとキャッシュフローの違いについて、資金繰りは“未来のこと”、キャッシュフローは“過去のこと”という理解で合っていますか?
おっしゃる通りです。資金繰りとは、未来の経営活動においてお金の動きを計画・管理するものです。未来にどれくらいの資金が必要か、または余剰資金ができるかを予測することを指します。
未来のお金の動きを見るのが資金繰りですね。では、キャッシュフローはどう捉えたらいいですか?
キャッシュフローは、過去の企業活動において、現金がどのように動いたかを示します。過去の現金の出入りを詳細に把握することで、企業の財務健全性が評価できます。
なるほど!資金繰りで未来のお金の動きを予測し、キャッシュフローで過去の現金の動きを確認するわけですね。


資金繰りとは・・・

「資金繰り」とは、企業が日々の運営を円滑におこなうために、必要な資金を適切なタイミングで確保するプロセスを指します。
主に未来の資金の流れを計画・管理するもので、資金繰り表を用いて未来の資金の増減を予測し、資金が不足する可能性がある場合は、事前に融資や投資を求めるなどの対策を立てます。

資金繰りは企業の生命線であり、これがうまく機能しないと、企業は倒産の危機に直面する可能性があります。


資金繰りを管理するツール「資金繰り表」とは

「資金繰り表」は、資金繰りを管理するための重要なツールです。

これは、企業が特定の期間においてどれだけの資金を得て、それをどのように使用するかを明示するものです。資金繰り表を用いることで、企業は将来の資金の必要性を正確に予測し、適切な融資や投資を求めることができます。

資金繰り表には大きく分けて、以下のような種類が存在します。

①営業資金繰り
主に売上からの入金や仕入れ、給与支払いなど、日常的な事業活動から生じる資金の流れを管理します。

②投資資金繰り
機械や設備の購入など、企業が投資活動をおこなう際の資金の流れを管理します。

③財務資金繰り
銀行融資や投資家からの資金調達、返済など、資金の調達や返済に関する流れを管理します。


資金繰り改善のポイント

資金繰りを改善するためには、以下のポイントを踏まえて適切に管理することが重要です。

①正確な予測
企業は、将来の資金の流れをできるだけ正確に予測する必要があります。これにより、資金不足のリスクを未然に防ぐことができます。

②コスト管理
資金繰りの効率を向上させるためには、コスト削減や効率的な資源の配分が不可欠です。

③緊急資金の確保
不測の事態やチャンスを逃さないためにも、緊急資金を確保しておく必要があります。

④リアルタイムでの情報の確認
常に最新の金融状況を確認し、迅速に対応することで、企業は資金繰りの問題を未然に防げます。

資金繰りは、企業の持続的な成長と成功のために、正確な予測と効果的な管理が必要です。企業は、資金繰り表をうまく活用し、事業の現状と未来を正確に把握し、適切に対応することで、資金の流れを最適化し、危機に陥らないようにしましょう。


キャッシュフローとは・・・

一方、「キャッシュフロー」は、企業の現金の出入りを表すもので、企業の健全性や利益性を評価する基準ともなります。
キャッシュフローは通常、特定の期間において、事業活動、投資活動、財務活動からの現金の流れを計測します。これにより、企業がどれだけの現金を創出し、それがどのように使用されたかを詳細に把握することができます。


キャッシュフローの重要性

キャッシュフローの管理と分析は、企業の健全な経営にとって重要です。

これは、キャッシュフローが企業の現金の流れを正確に反映するためです。企業は利益を上げているかもしれませんが、キャッシュフローが悪いと、必要な時に支払いをおこなうことができません。

例えば、大口の売上があっても、その顧客からの入金が遅れると、お金が不足するという事態を引き起こしてしまいます。

キャッシュフローは、主に以下の3つのカテゴリーに分けられます。

①営業活動からのキャッシュフロー
基本的なビジネス活動からの現金の流れ。例えば、商品の売上やサービスの提供から得られる現金など。

②投資活動からのキャッシュフロー
投資に関連する現金の流れ。例えば、設備の購入や売却、有価証券の購入や売却から生じる現金の流れ。

③財務活動からのキャッシュフロー
資金調達に関連する現金の流れ。例えば、借入金の返済や株式の発行から生じる現金の流れ。


キャッシュフローの使い方と管理方法

キャッシュフローの情報を効果的な使い方を知り、適切な管理をおこなうことで、企業は資金繰りを改善し、計画的に資金を配分することができます。
具体的には、以下のような活動がキャッシュフロー管理に含まれます。

①予算の作成と管理
期待される収入と支出を基にキャッシュフローの予算を作成し、管理する。

②売上債権の管理
顧客からの支払いを迅速かつ効果的に回収することで、キャッシュフローを改善する。

③支出の管理
企業は支出を計画的に管理し、無駄な支出を削減することでキャッシュフローを改善する。


まとめ

キャッシュフローは企業の現金の動きを表し、企業の健全性や生存能力を示す重要な指標です。企業はキャッシュフロー管理と最適化を通じて、持続可能で健全な経営を実現することができます。資金繰りとキャッシュフローは密接に関連しており、どちらも企業の金融戦略の中核をなしています。

まだまだ他にもたくさんの会計に関する今更聞けないことが存在します。
一つずつわかりやすく解説していきますので、ぜひほかの「今更聞けないシリーズ」も読んでみてください。

岡本 辰徳
岡本 辰徳
株式会社YKプランニング 代表取締役社長

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。