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内部統制とは何か?メリットと事例を解説

2023年10月26日
業務改善 人材育成 ビジネス用語

こんにちは、YKプランニング管理本部長であり公認会計士の丸山です。

中小企業経営者のみなさま、「内部統制」という言葉を聞いたことがありますか?
なんとなく、難解なキーワードに感じますよね。

会社経営では、日々さまざまなリスクや課題に立ち向かう必要があります。また、中長期的に会社経営をおこなっている経営者であれば、これまで何度か想定外のリスクにさらされ、大きなダメージを受けた経験があるのではないでしょうか。

「内部統制」は経営の安定的な成長と成功に欠かせない要素であるといわれています。
そこで今回は、「内部統制」の基本を分かりやすく説明し、事例を通じてその重要性をお伝えします。


内部統制とは?

内部統制とは、会社が組織運営を効果的に管理し、リスクをコントロールしながら、適切に業務を実行するためのプロセスや仕組みのことを指します。
簡単に言うと、会社などの組織で、大切なお金や情報を守るためのルールやしくみのことです。内部統制をおこなえば、組織内できちんとした秩序を保ち、トラブルを避けるのに役立つということですね。


内部統制のメリット

次に内部統制をおこなうメリットについて考えてみましょう。
以下に、内部統制がなぜ必要なのかを3つの要素に分けてご紹介します。

リスク管理
中小企業は、さまざまなリスクにさらされています。競合他社の出現、景気の変動、法的規制の変更などが挙げられます。内部統制は、これらのリスクを正確に評価し、対策を講じるのに役立ちます。

例えば、新しい市場への進出は、まったく知らない新しい道を歩くことに似ています。内部統制は、その道を歩く時に地図を持っていることと同じです。

新しい市場に足を踏み入れる前に、地道な市場調査とリスク評価をおこなう必要があります。内部統制を導入し、その地域の地理、特性などに関する情報を収集することは、リスクを最小限に抑えるための手助けをしてくれます。これにより、未知の市場への進出をより安全にし、新しい市場で成功する可能性が高まります。内部統制は、新たなビジネスの展望を開拓する際の頼れる案内役といえるのです。

コンプライアンス(法令遵守)
ビジネス環境は日々変化しており、企業はさまざまな法的規制や規則に従わなければなりません。内部統制は、法令遵守を確保するための業務プロセスを設計し、監視する役割を果たします。

例えば、税金のルールをゲームのルールだと思ってみてください。ルールが変わると、ゲームの進行も変わるでしょう。内部統制は、常に最新のルールブックを手元に置いているようなものです。

税法が変更されたとき、内部統制をおこなうことで、すぐに新しいルールに合わせることができます。これにより、法的なトラブルを避け、ゲーム(ビジネス)をスムーズに進めることができます。内部統制は、ビジネスにおけるルール適応のための秘密の武器のようなものなのです。

情報の信頼性
正確な情報がなければ、意思決定は困難で、誤った判断を下すリスクが高まります。内部統制をおこなうことで、データや情報の信頼性を向上させることができます。

例えば、お金を借りるとき、銀行は信頼のあるお金の使い手(会社)を選びたいものです。それは、お金を貸すときに、返せるかどうかを見極めるためです。内部統制は、会社のお金の使い方を正確かつ透明に示す手段になります。

財務情報を適切に整理し、信頼性の高い情報を提供することで、銀行は会社を信頼しやすくなります。そして、資金を調達する機会がさらに増え、ビジネスが成長するかもしれません。内部統制は、金融機関取引において信頼性と透明性を持つためのカギとなるのです。


内部統制の事例

では、事例を通じて、内部統制の実際のビジネスシーンでの役割を理解しましょう。
事例1: リスク管理としての内部統制
中小規模の製造業で成功を収めているA社が、新たな取引先と契約を結びました。しかし、数ヶ月後、契約相手の支払いが滞り、A社は資金不足に陥りました。問題の根本的な原因は、契約相手の信頼性を十分に評価していなかったことでした。

内部統制をおこなっていれば、契約相手の信用情報を正確に収集し、信頼性を確認するプロセスを設けることができます。これにより、A社はリスクをコントロールし、資金不足の危機を避けることができるのです。

事例2: コンプライアンスとしての内部統制
小売業の経営者Eさんは、ビジネス拡大を目指し、新たな地域に進出することを決定しました。しかし、異なる地域でのビジネスは、地域ごとに異なる法的要件と規制があるため、コンプライアンスの遵守が課題でした。

内部統制をおこなっていれば、法的要件や規制に関する情報を詳細に調査し、遵守すべき事項を明確にすることができます。また、社内のトレーニングプログラムを実施し、従業員がコンプライアンスを理解し、遵守できるようにもなります。
結果として、Eさんのビジネスは新たな地域での展開を成功させ、法的なトラブルや賠償金を回避しました。内部統制はコンプライアンスの向上に貢献し、新たな市場での成長を支えることができるのです。

事例3: 情報の信頼性としての内部統制
中小規模のオンライン小売業を経営するBさんが、売り上げを増やすために新しい広告戦略を考えました。しかし、どの広告が最も効果的なのか正確な情報を把握することができませんでした。

内部統制をおこなっていれば、売り上げデータを詳細に記録し、広告キャンペーンごとに正確な売り上げの増減をトラッキング(追跡)でき、その結果、どの広告が効果的で、どの広告の効果が薄いのかを正確に理解できるようになります。Bさんは無駄な広告費を削減し、正確な情報に基づいた意思決定をすることで、ビジネスを成功に導くことができるのです。


まとめ

今回は、「内部統制」の基本を説明し、事例を通じてその重要性を紹介しました。
中小企業経営者のみなさま、内部統制をおこない、組織の健全な運営を実現しましょう。

ビジネス環境は変化し続けますが、その変化に適応し、成功に向けて進むことができるはずです。
内部統制は、あなたのビジネスの強力な味方ですよ。

丸山 桂
丸山 桂
株式会社YKプランニング 経営管理本部長 公認会計士

大学卒業後、金融機関のリテール営業からEY新日本有限責任監査法人での金融機関監査とIPO支援経験を積む。独立し税理士事務所を開業後、YKプランニング入社。現在は経営管理本部で予算管理とバックオフィス業務を統括。幅広い財務会計と金融の知識と経験を活かし、組織の成功に貢献するべく管理体制を強化中。
趣味はゴルフ・YouTubeで興味がない分野の動画をあえて見ること。