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月次決算の早期化メリットと取り組みポイント

2023年11月30日
経営管理 会計・財務

こんにちは、YKプランニング管理本部長であり公認会計士の丸山です。

中小企業経営者のみなさま、「月次決算の早期化」に取り組まれているでしょうか?
多くの中小企業が日々の業務に追われ、月次決算の実施が遅れがちになっているのが実情です。

ビジネス環境の変化が激しい現代において、経営者の迅速かつ的確な意思決定は、最新の情報に基づいておこなわれることが求められます。このような中、月次決算の早期化は企業にとって重要な戦略的手段となることでしょう。

そこで今回は、中小企業が月次決算を早期化するメリット、取り組みのポイントについてご紹介します。


月次決算を早期化するメリットとは?

まず、月次決算を早期化するメリットについて触れておきましょう。
迅速な意思決定
急激な需要変動にスピーディに対応できます。
例えば、新商品の月次売上が予想の120%に達した場合、経営者は即座に仕入計画を見直し、追加在庫を増やすことで市場ニーズにスピーディに対応することができます。逆に、販売が予測を下回った場合、経営者はすぐに戦略を見直し、損失を最小限にとどめつつ、新たな戦略への切り替えをおこなうことができます。
このように、数字に基づく迅速な意思決定が企業の柔軟性を向上させ、需要変動に効果的に対処することができるのです。

リスク管理の向上
問題が早期に発見され、これに対する対策や修正が即座におこなえます。
例えば、取引先企業が経営危機に陥り、支払能力が危うくなった場合、月次決算の早期化により企業は直ちに対策を講じることが可能です。取引先企業の支払い遅延のリスクを示す月次データ(過去数か月の滞納や遅延データ)を把握できれば、それに基づいて早急に対策し、債権未回収リスクを削減できる可能性が高まります。逆に、情報が遅れると、問題が顕在化するまでの時間が長くなり、損失のカバーが難しくなります。
このように、月次決算の早期化はリスク管理において数値的なメリットをもたらし、企業が効果的に対策を講じる時間的余裕を確保します。

従業員モチベーションの向上
従業員が自身の業務が組織の成功に与える影響を数字で理解できれば、仕事に対するモチベーションも飛躍的に向上します。
例えば、月次決算が早期におこなわれることで、従業員のアイディアやプロジェクトの成果が素早く評価され、その結果、部門全体の業績が予想を上回った場合、部門長から直接従業員にフィードバックが行き渡ります。これにより、成果をもたらした従業員は具体的な数字でその貢献度を知ることができ、達成感やモチベーションが高まります。逆に、月次決算が遅れると、成果が評価されるまでの期間が長くなり、モチベーション向上の意欲を鈍らせる可能性があります。


取り組みのポイント

月次決算の早期化に取り組むのは簡単ではありません。中小企業の場合は、特に限られた人数で効率化を実現しなければなりません。また、適切な従業員トレーニングも必要でしょう。
経営者は即効性のある効果を期待するのではなく、中長期的な視点で取り組むことが重要です。
クラウド活用による自動化マインド
まず、経営者自身がクラウド活用による自動化マインドをもつことが極めて重要です。
例として、請求書の処理プロセスを挙げます。昔からやってきたという理由だけで、請求書は紙で受け取り、手動でデータを入力し、承認プロセスを経て支払いがおこなわれていたとします。
一連の取引にいったいどれだけ手作業が介在しているでしょうか?
手作業は時間もかかり、ミスも多くなります。ミスが頻発すればチェックの時間も多くなるでしょう。しかし、自動化を活用することで、これらの手続きを大幅に効率化でき、月次決算の早期化につながります。

①電子請求書の受領と読み取り
例えば、自動化ツールを使用して、電子請求書を直接システムに取り込みます。OCR(光学的文字認識)技術を活用して、文書の内容を自動的に読み取り、デジタルデータに変換してくれます。

②データの自動マッチングと承認ワークフロー
システムには自動的に請求書のデータを発注・納品データと照らし合わせ、不一致がないか確認してくれるものがあります。その後、承認ワークフローに従って、適切な部門や担当者に自動的に請求書データが流れます。

③支払いの自動化
承認された請求書は、支払いシステムに自動的に統合され、指定された支払いサイクルに基づいて支払いがおこなわれます。これにより、手動での支払い処理などが不要となり、支払いの迅速な完了が可能となります。

経営者自身が、このような請求書プロセスのクラウド化により、大幅に作業時間が短縮され、月次決算の早期化につながるのだ、というマインドをもつことが極めて重要です。

従業員のトレーニング
経営者自身がクラウド活用で月次決算の早期化マインドをもったとしても、それが現場担当に浸透しなければ意味がありません。つまり、月次決算の早期化の効果を従業員へ地道に動機づけすることが必要だということです。
そのためには、従業員に新しいシステムのトレーニングを実施しながら、月次決算の早期化プロセスへの理解を深めることが重要です。

①業務プロセスを絞ったトレーニング
従業員には個別の業務プロセスに焦点を当てたシステムトレーニングを実施します。複数の業務プロセスの自動化を一気にスタートすると消化不良が起きたり、月次決算の早期化に対する従業員の不満がたまります。例えば、経費精算プロセスからおこなうなど、一部の業務プロセスに絞ったトレーニングが有効でしょう。

②実践的なシナリオトレーニング
従業員はリアルな取引に基づくトレーニングを通じて、システムの操作を実践的に学ぶとよいでしょう。例えば、自社の実際の取引を用いるなど、身近な取引でトレーニングすると記憶が定着しやすく、手作業と自動化の効率化の違いを実感しやすくなります。

継続的な改善
継続的な改善は、月次決算の早期化プロセスにおいて重要です。特に、業務プロセスを担当する従業員の意見を取り入れつつ、効果的な手法を見つけ出し、月次決算のプロセスに反映し進化させるとよいでしょう。
継続的な改善の例は以下のようなことが考えられます。

①定期的なフィードバック
定期的に従業員とのフィードバックの機会を設けます。例えば、フィードバックを通じて、従業員が業務プロセスやシステムに関する感想や提案を自由に発信できる環境を整えるとよいでしょう。

②成功体験の共有
成功した体験や事例を共有する勉強会を定期的に実施します。従業員は自身の経験や発見した効果的な手法を他者に共有し、お互いに学び合いの機会を設けることが重要です。

③進捗状況の共有
月次決算の早期化の進捗や成果に関する情報を可視化することも重要です。例えば、ダッシュボードや共有ドキュメントを通じて、月次決算の早期化の目標達成度をリアルタイムで把握できると、従業員のさらなる改善意欲やモチベーション維持にもつながります。


まとめ

月次決算の早期化は、企業の迅速な意思決定やリスク管理の観点から重要です。
適切な投資やトレーニングを通じて、業務プロセスを効率化し、従業員の協力を得つつ、迅速で信頼性の高い月次決算を実現することが、中小企業の持続的な成長に繋がるでしょう。

おそらく月次決算の早期化は、最適な方法を見つけ出す過程で、何度も失敗と挑戦があるでしょう。

しかし、諦めてはいけません。その先には企業の成長と安定が待っています。