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EBITDAとは?基礎から詳しく解説!

2024年 8月 1日
経営管理 会計・財務

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。

EBITDAという言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
財務分析の指標のひとつで、読み方は「イービットディーエー」「イービットダー」「イービッタ」などがあります。

今回は企業の収益力を把握する重要な指標であるEBITDAについて、その基礎から計算方法、活用方法までを詳しく解説します。経営判断や投資判断にぜひEBITDAをお役立てください。


EBITDAとは何か?営業利益との違いや計算方法

EBITDAの基本概念
EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)は、中小企業の財務状況をシンプルに把握するための指標です。日本語では「利息・税金・減価償却前利益」と呼ばれ、企業が本業でどれだけ稼いでいるかを示します。EBITDAは、企業の営業活動そのものの収益力を評価するために使われます。
EBITDAは以下の計算式で求められます。
EBITDA=営業利益+減価償却費

営業利益とは、売上高から売上原価や販売費、一般管理費などの営業に関わるすべての経費を差し引いたものです。減価償却費は、建物や機械などの資産を使用することで価値が減少する分を費用として計上したものです。


EBITDAの活用メリットと使い方

EBITDAはシンプルでわかりやすいという利点があります。
営業利益+減価償却費で求められるため計算が簡単で、経営者が自社の本業での稼ぎを理解しやすくなります。利息や税金などの要素を除外することで、企業の営業活動の成果を正確に評価できます。

また、減価償却費は現金の支出を伴わない費用であるため、EBITDAはキャッシュフローに近い指標とされています。フリーキャッシュフローとの違いは、EBITDAが利息・税金・減価償却なのに対し、フリーキャッシュフローは利息・税金・減価償却という点です。簡易的に企業の稼ぐ力を見たい場合はEBITDA、実際に企業に残ったキャッシュを見たい場合はフリーキャッシュフローを用いるとよいでしょう。

では、実際にはどのような場面でEBITDAは活用されているのでしょうか?
以下3つのシチュエーションをご紹介します。

1.経営判断
新しい設備を購入するかどうかなど、現状のEBITDAを基に資金の余裕を判断することができます。

2.融資を受けるとき
金融機関から融資を受ける際、EBITDAが高いと企業の安定性が評価され、融資を受けやすくなります。

3.経営の改善
コスト削減や売上向上策の効果を測定するために、EBITDAを活用します。


EBITDAの計算方法のパターン

前述でEBITDAの計算式をご紹介しましたが、実はEBITDAの計算の仕方は1つではなく、活用シーンや目的に応じていくつかの計算方法があります。
【営業利益を基にしたEBITDA】
基本的には、EBITDAは営業利益を基に計算します。営業利益は企業の本業の収益力を示し、以下の計算式で求められます。

EBITDA=営業利益+減価償却費

【税引前当期利益を基にしたEBITDA】
税引前当期利益を基にしたEBITDAの計算式は以下の通りです。

EBITDA=税引前当期利益+支払利息+減価償却費

税引前当期利益を基にすることで、税金を再度考慮する必要がなくなり、計算がシンプルになります。

EBITDAを計算する際には、営業外収益(例えば、雑収入や投資収益)は含めない方が良いとされています。これは、EBITDAが企業の本業の収益力を評価する指標であり、非営業活動からの収益を含めると本業のパフォーマンスが見えにくくなるためです。


段階的なEBITDAの理解

初めてEBITDAを学ぶ際には、基本的な概念を理解するために「営業利益 + 減価償却費」でシンプルに計算します。これにより、減価償却費が非現金費用であることや、企業の営業活動の純粋な収益力を把握する重要性が理解できます。

次に利息や税金を加えることで、企業の本業以外の要素を排除した、より包括的な収益力の評価が可能になります。これにより、企業間の比較や財務リスクの評価がより正確に行えます。

利息や税金を含める理由は以下の通りです。

1.本業の収益力を正確に評価
利息や税金を含めることで、企業の営業活動そのものの収益力を正確に評価できます。

2.比較の公平性
異なる資本構造や税制度を持つ企業同士を公平に比較できます。

3.財務の健全性を把握
利息や税金を含めることで、企業の財務リスクや税務リスクを評価できます。


EBITDAの実践活用と注意点

EBITDAは企業の財務状況を評価するための重要な指標です。

最初はシンプルに「営業利益 + 減価償却費」で始め、その後に利息や税金を加えることで、より詳細な分析が可能となります。この段階的なアプローチにより、理解しやすく、かつ正確な財務分析ができるようになります。

EBITDAは便利な指標ですが、万能ではありません。例えば、実際のキャッシュフローや負債状況を完全には反映しません。そのため、EBITDAだけでなく他の財務指標も併せて見ることが重要です。また、営業外収益を含めないことで、純粋な営業パフォーマンスを評価することができます。

金融機関との会話でEBITDAを取り上げる際には、以下の点に注意することが重要です。

1.正確な数値を提供
金融機関は企業の信用評価をおこなうために正確な財務情報を求めます。EBITDAを計算する際には、最新のデータを使用し、正確に計算することが求められます。

2.他の指標と併用
EBITDAだけでなく、キャッシュフローや純利益など他の財務指標も併せて説明することで、企業の財務状況を総合的に理解してもらうことができます。

3.透明性の確保
EBITDAの計算方法や各項目の詳細を明確に説明し、透明性を確保することが重要です。これにより、金融機関との信頼関係を築くことができます。

4.営業外収益の扱い
金融機関には、EBITDAが本業の収益力を示す指標であることを説明し、営業外収益を含めない理由を理解してもらうことが重要です。


EBITDAで収益力を把握しよう

EBITDAは経営判断や投資判断において非常に重要な指標です。
EBITDAを活用することで、企業の営業活動の収益力を正確に把握し、健全な経営判断をおこなうことができます。

段階的な理解を深めることで、中小企業の経営者や財務担当者がEBITDAの本質を理解し、効果的に活用できるようになるでしょう。定期的にEBITDAを計算し、財務の健全性や成長可能性を確認しましょう。

これにより、効果的な経営戦略の策定や資金調達の際の交渉力強化につながります。

岡本 辰徳
岡本 辰徳
株式会社YKプランニング 代表取締役社長

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。