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知っておきたい ガバナンスと コンプライアンスの違い

2021年 7月 5日
経営管理 ビジネス用語

ビジネス用語には英単語が多いため、実は日本語の意味を理解していない状態で使っているという言葉が多く存在します。

例えば、近年重要視されている「ガバナンス」と「コンプライアンス」。
中小企業にはあまり関係ないと考えがちなこの2つのキーワードですが、実は企業の大小を問わず経営にとても重要な意味を持っているのです。

今回は「ガバナンス」と「コンプライアンス」、それぞれの意味や違い、そしてなぜ今この2つが重要視されているのか、について解説していきます。


ガバナンスとは

ガバナンスとコンプライアンスについて知るためにはまず、それぞれの単語の意味をしっかりと理解しておきましょう。

ガバナンスは、英語で「支配・統治・管理」を意味する単語です。ビジネスの場で使用されるガバナンスは、「コーポレート・ガバナンス」とも呼ばれ、「健全な企業経営を目指す企業が、企業自身を管理する体制」のことを指します。

不正や情報漏洩、トップによる独善的な経営を避け、関係者との信頼を築いていくためには、企業が自身をしっかりと管理できる体制を作ることが欠かせません。企業による不祥事が相次いだ2000年代から、日本でもこの「(コーポレート)ガバナンス」が注目されるようになりました。


コンプライアンスとは

一方、コンプライアンスとは企業活動上で「法令などのルールに従って企業活動を行う」ことを指すビジネス用語です。

主に法令順守という日本語に訳されていますが、実は順守すべき対象は「法令」だけではありません。

近年では、企業は法令の他にも業務規定や社内ルールといった「社内規範」、社会常識や良識による「社会規範」、さらに企業理念や社会的責任といった「モラル=企業倫理」も順守しなければいけない立場となっています。


ガバナンスとコンプライアンスの違い

ここまで説明した通り、ガバナンスとコンプライアンスは根本的に異なる単語です。ガバナンスは企業が企業自身を「支配する」ことを指し、コンプライアンスは企業が法令に「従う」ことを指していることから、主従関係で見れば真逆の内容ですよね。

しかしながら、そもそも企業が自身を「ガバナンス」する理由・目的は、「コンプライアンス」することにあります。つまりガバナンスという言葉には、単に「支配する」というだけでなく、「(社会に従うために)支配する」という意味合いが強く含まれているのです。

このようにガバナンスとコンプライアンスは非常に密接した関係にあるため、なんとなく混同してしまったり意味を取り違えてしまったりすることが起こりやすいのだと考えられます。


なぜ今、重要視されているのか

ここまでの内容で、それぞれの意味はしっかり把握していただけたでしょう。しかし、冒頭にも触れたように、「そもそもガバナンスもコンプライアンスも、うちのような中小企業にはあまり関係ないかな」と感じてはいないでしょうか?

もちろん、企業が大きくなればなるほど、コンプライアンス違反がないように統治する重要性はより一層高まります。
しかしIT化が進み、高度な情報化社会へ突入した今、情報を管理する重要性は以前とは比べ物にならないレベルになっています。

ひとたび顧客情報などを流出させてしまえば、会社の大小を問わず、重大なコンプライアンス違反を犯した企業として瞬く間に信頼を失ってしまうでしょう。

また、SNSなどが発達したことで近年では誰でも手軽に情報発信を行うことができるようになっています。そのため、企業が何かコンプライアンス違反を犯してしまうと、それを内輪でもみ消すというようなことは今や不可能といえます。

このようなリスクを避けるという背景から、近年はガバナンスとコンプライアンスが重要視されているというわけです。

このように、そもそもなぜ今重要視されているのかについて見ていくと、たとえ中小企業であってもガバナンスやコンプライアンスについて取り組むことは、決して他人事ではないということがお分かりいただけるでしょう。


まとめ

企業が被る可能性のあるリスクを減らすために、まずは企業自身がガバナンスとコンプライアンスについてしっかりと意識することが重要だとご理解いただけましたか。

情報化社会では、悪い情報だけでなく、良い情報も広まりやすいものです。
コーポレートガバナンスをきちんと実施し、優良企業として認知されれば、企業価値の向上につながります。

これからの時代を生き抜いていくことができるのは、コンプライアンス違反をなくすためにガバナンスを強化した企業だと言えるでしょう。