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効率性分析とは?主要な指標とやり方を解説

2024年 7月 4日
経営管理 会計・財務

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。

今回は、財務分析の4つの柱「収益性」「安全性」「資金力」「効率性」の中から「効率性」について深掘りしていきます。


効率性分析とは?何がわかるのか?

財務分析における「効率性」とは、企業が資源(人的、物的資本)をどれだけ効率的に活用しているかを指します。効率性が高い企業は、投入した資源に対して最大限のアウトプットを得ることができ、これはコスト削減、生産性の向上、競争力の強化に直結します。

なぜ効率性分析が重要なのか

効率性の分析を通じて、企業は資源の活用度や生産性を定量的に評価することができます。この分析は、無駄の削減、プロセスの改善、従業員の生産性向上に向けた戦略を立てることに役立ち、最終的には企業の収益性と持続可能性を向上させることが可能になります。


効率性を測る主要な3つの指標

ここでは効率性を測る指標として以下の3つについて解説していきます。

①一人当たり売上高
従業員一人当たりの売上がどれだけあるかを示し、効率的な人材活用の指標となります。

②労働分配率
人件費総額が限界利益に占める割合で、労働コストの効率性を評価します。
(詳しくは今更聞けない「限界利益」とは? のブログをご覧ください)

③平均年収
その名の通り従業員の平均年収を示し、報酬と生産性のバランスを評価するために使用されます。

各指標の計算方法と数値の見方

①一人当たり売上高 = 総売上高 ÷ 従業員数
この指標は、従業員一人ひとりがどれだけの売上を生み出しているかを示す指標です。高い数値の場合は従業員の生産性が良く、効率的な人材活用がなされていることを意味します。一人当たり売上高を追いかけることで、人材の生産性向上や業務プロセスの効率化が成功しているかを判断できます。

②労働分配率 = 人件費総額 ÷ 限界利益
労働分配率は、企業が生み出した限界利益のうち人件費がどれだけを占めているかを示す指標です。比率が低い場合は企業が賃金を効率的に管理し、高い付加価値を生み出していることを意味します。一方、比率が高い場合は、人件費が限界利益の大部分を占め、人件費が利益を圧迫していることを示唆しています。

③平均年収 = 人件費総額 ÷ 従業員数
平均年収は、企業が従業員に支払っている平均的な年間報酬を示します。競争力のある平均年収は、優秀な人材を引き寄せ、保持するのに役立ちます。また、従業員の満足度やモチベーションと密接に関連しており、企業全体の生産性に影響を与えます。


企業における効率性分析の活用例

効率性の分析結果から得られる洞察は、企業がより戦略的な意思決定をおこなうための貴重な情報源です。

①生産性の向上
一人当たり売上高の分析から、特定の部署やチームで生産性が特に高いことが判明した場合、その成功要因を他の部門にも適用することで、企業全体の生産性を向上させることができます。また、生産性が低いエリアを特定し、研修の提供や新技術の導入により、その部分を強化することも有効です。

②人件費の最適化
労働分配率が高い場合、人員が過剰または従業員数に対して確保すべき限界利益が少ないことを意味します。改善をする手段としては、業務プロセスの再設計、自動化の導入、またはアウトソーシングの検討が挙げられます。人員をカットするという視点だけではなく、無駄な業務がないか?生産性が低いことをしていないか?という視点で考えましょう。

③報酬制度の見直し
平均年収を市場データや競合と比較し、企業が競争力のある報酬制度を提供しているかを評価します。競争力のある報酬は、優秀な人材の獲得と保持に不可欠であり、従業員のモチベーションと生産性の向上に直接的に寄与します。報酬制度の見直しは、パフォーマンスに基づいたインセンティブの導入やキャリア成長機会の提供など、従業員の貢献を適切に評価し、報いることを目的としています。これにより、従業員は自身の成果が企業に認識されていると感じ、さらなる努力と貢献が期待できます。


まとめ

効率性の高い企業は、限られた資源を最大限に活用し、市場での競争優位性を確立します。

効率性を意識した戦略は、効率性自体の向上だけでなく、従業員の満足度と企業文化の改善にも貢献します。従業員が働きがいを感じ、自らの役割が企業の成功に直接関わっていると認識することで、組織全体としての協力と生産性が促進されるのです。また、市場や業界の変化に迅速に適応し、競争力を維持するためにも、継続的な効率性の評価と改善は不可欠です。

経営層は継続的に企業の効率性をチェックし、必要に応じて柔軟に戦略を調整し、従業員と共に成長を目指す必要があります。最終的に、企業の効率性を高めることは、持続可能な成長と市場での成功を確実にするための鍵となります。

これらの分析結果を活用して、人材の育成、コストの最適化、報酬制度の再構築など、具体的な改善に取り組みましょう。

岡本 辰徳
岡本 辰徳
株式会社YKプランニング 代表取締役社長

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。