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企業が活性化するロールモデルの設定

2022年 9月29日
人材育成 ビジネス用語


日本型の終身雇用制度が終わりを迎えつつある近年、個々人のキャリアプランにも変化が現れています。

女性の社会進出も増え、育児や介護を原因とした離職も社会問題になっている今、注目されているのが「ロールモデル」の導入です。

今回は「ロールモデル」導入によって社員や組織にもたらされる効果を中心にご紹介します。

ロールモデルとは

ロールモデルは「role(役割)」と「model(見本)」という英語が元になっています。
この言葉は1940年代、アメリカの社会学者であるロバート・K・マートン氏によって定義されたもので、行動や考え方のお手本となる人物を意味します。

ロールモデルは1人だけに絞るものではなく、自分の現状や伸ばしたい分野によって複数持つことでより効果が期待できます。
例えば、仕事の効率的な進め方はAさん、社内コミュニケーションのとり方はBさん、プライベートとのバランスはCさんのように、自分の理想に合わせてロールモデルを設定していくのです。

また、ロールモデルは固定するものではなく、自分の業務や成長段階に応じて変えていくことも効果的と言われています。
自分の現状を正しく把握し、その時々で伸ばしたい分野を得意する対象をロールモデルとしていくことが、成長へとつながっていくのです。


ロールモデル導入に期待される効果

ロールモデルを導入することで、以下のような効果が期待できます。

■キャリアプランが立てやすくなる

自分が理想とするキャリアがあったとしても、そこに至るまでのプロセスまではイメージしにくいものです。
しかし、身近にロールモデルがいれば、その人物を参考に身につけるべきスキルや経験を判断したり、自分がつまづいているポイントを直接相談したりすることが可能になります。
その結果として、社員の成長速度が早まったり、コミュニケーションが向上したりといった効果も期待できるのです。

■組織が活性化する

身近にロールモデルが存在することは、モチベーションの向上にもつながります。
憧れの人物とどうやって関わるか、そこから何を学んでいくのかを常に考えることは、主体的に業務に当たる姿勢を育むことにもつながるでしょう。
一人ひとりの業務に対する姿勢が変わっていくことで、組織全体が活性化するという大きな効果につながります。

■女性が活躍しやすい環境を作ることができる

女性が長く働くうえで、最も気になるのが「家事・育児と仕事の両立」です。
結婚後や出産後も働いている女性をロールモデルに設定することで「ライフステージが変わっても働きやすい会社」というイメージが生まれ、新しく求人をおこなう場合でもプラスの感情を抱いてもらうことができます。
また、ロールモデルの彼女たちをきっかけに「自分にもできるかもしれない」という意識を女性社員に持たせることで、離職率の低下にもつながっていくでしょう。

このように、ロールモデルの設定は社員個人の成長だけでなく、企業全体にも良い影響を与えることが期待されるのです。

ロールモデルを活用するポイント

本来であれば、ロールモデルは各自が見つけていくものです。
しかし、わかりやすい人物が社内に少ない場合は、企業側がサポートする必要があります。
企業側がサポートする際には、以下のポイントがあります。

■ロールモデルの設定

設定のポイントは「企業が求めるロールモデルの人物像」と「対象となる社員の有無」です。
先述したように、ロールモデルは各自の目指すキャリアや伸ばしたい分野によって異なります。
まずは、スキルやキャリア、ワークライフバランスなどを俯瞰して、項目別にふさわしい人物を選定することが重要になります。

■ロールモデルの育成

対象となる人物が決まったら、次に大切になるのが「育成」です。
スキルや知識習得のための自己啓発支援や外部研修への参加、社内でのネットワークづくりなどがここに該当します。
彼らのモチベーションを高めることで、ロールモデル制度をより効果的に運用する地盤を固めることができます。

■ロールモデルの周知

ロールモデルの準備ができたら、最後に「周知」します。
いかに優れたロールモデルであったとしても、社内に知られていないのであれば宝の持ち腐れです。
社内報や社内ポータルで取り上げたり、研修などの事例紹介に登場させたりといった方法で、多くの社員に意識してもらうよう工夫していきましょう。


まとめ

今回は、ロールモデルの導入についてご紹介しました。

魅力的なロールモデルが社内にいることで、他の社員のモチベーションや業務効率の向上が期待できるこの制度。
これからますます流動的になる社会を見据えて、今から準備してみてはいかがでしょうか。