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なぜグループ企業全体の経営数値把握が浸透しないか

2021年 7月 1日
会計・財務 業務改善 人材育成

こんにちは。YKプランニング管理本部長であり公認会計士の丸山です。

前回は、「グループ企業全体の経営数値の把握実態」について話をし、約30%の親会社しかグループ全体の経営数値を把握していないという驚きのアンケート結果をお伝えしました。

また、グループ全体の舵取りを行っていくために親会社がやるべきこと、それは「会計数値の合算作業」であることにも触れました。※前回のブログはこちら

そこで今回は、
なぜ会計数値の合算作業がグループ企業に浸透しないのか?
合算作業のフローの中で何が障壁となるのか?
について、弊社が行ったアンケート調査の結果を踏まえて、課題を深堀りしながら考察していきたいと思います。

グループ企業の合算作業の課題として多かった回答は、
・手作業集計なので時間がかかる
・Excelマクロはバージョンアップ時に組み直さなければならない
・グループ企業間の勘定科目不揃い
・内部取引を抜粋するのに時間がかかる
が挙げられます。

では一つ一つ考察していくことにしましょう。

手作業集計なので時間がかかる

前回のアンケート結果でもお伝えした通り、合算作業を実施しているグループ企業では、共通のシステムを活用しておらず、Excelを利用して合算集計作業を行う企業がほとんどでした。

「手作業なので時間がかかる」という課題は、もちろんExcel作業のことを意味するわけですが、そもそも合算作業の一連のフローは下記のようなステップで行われます。

① 会計情報の収集
② 会計データの単純合算集計(※勘定科目不揃いは親会社の科目に統一)
③ グループ間内部取引の調整
④ 報告資料(レポート)にまとめる

このような業務フローをすべてExcelを活用しながら、担当者が人力で作業するわけですから、そりゃ時間がかかるでしょ!!と言いたくなりますよね。仮に強引にでも数か月間運用できれば合算作業には慣れてくるでしょうが、最初の導入時は思考錯誤で相当苦労しそうですね。

この人力作業そのものが、グループ企業にとって合算作業をためらわせる要因であることは間違いないでしょう!


Excelマクロはバージョンアップ時に組み直さなければならない

こちらの課題は、実際に合算作業を行っているグループ企業の課題といえるでしょう。実際に運用されている企業でさえバージョンアップ時の課題があるということですね。

そもそも、Excelスキルがある人だけしか合算作業ができないのでは、業務の属人化をもたらすことになりますから、グループ企業で合算業務をスタートさせる際には、悩ましい障壁となるでしょう。


グループ企業間の勘定科目の不揃い

合算作業で特殊な作業工程といえば、勘定科目のマッチング(紐付け作業)です。これは、グループ関連会社が異なる事業を行う法人である場合など、勘定科目名が異なっているために起こることです。

最初から親会社とできるだけ科目体系を合わせていれば少しは楽になるのですが、会計数値合算作業まで見越して科目体系を統一しているグループ企業は少ないでしょう。

そのため、グループ全体の会計数値を合算する際には、基本的に親会社の勘定科目体系に各グループ子会社の勘定科目をマッチングすることになります。

その際に、
この勘定科目は親会社のどの勘定科目にマッチングすればいいのか?
この勘定科目はグループ全体の合計数値を見る際、マッチングせずそのまま残しておいた方がいのか?
など、一定の会計リテラシーを伴いながら、Excel関数で集計を行うことになります。

この作業もまたグループ企業が会計数値の合算を行う際の障壁であって、手が止まってしまう要因であることは間違いないですね。


内部取引を抜粋するのに時間がかかる

グループ間の内部取引を把握することも手間のかかる作業です。グループ企業数が多く存在し、親子会社間だけでなく、子会社間の取引がある場合には、グループ会社間でどのような内部取引があるか把握するだけでも大変です。

どの程度細かく内部取引調整を行うかは、グループ企業の方針に依存するところですが、実際には1円単位で細かく調整するというよりは重要性のあるグループ間取引を調整するだけで問題ないでしょう。

なぜなら、上場企業のように外部に公開するわけではありませんし、仮に金融機関からグループ企業全体の会計資料を依頼されたとしても細かい調整までは求められません。

と言いつつ、最低限の重要性のあるグループ間取引くらいは調整するにしても、グループ企業担当者は、会計ソフト仕訳検索などを駆使して内部取引を一つずつピックアップし、Excel合算精算表に調整額を転記することになります。

つまり、会計ソフト検索とExcel転記を行ったり来たりしながら作業を行っていくわけです。この作業も骨の折れる作業ですから、グループ企業数が多ければゾッとする嫌な作業ですね。

合算作業は「脱Excel」の思考で臨む

アンケート結果からグループ企業の合算作業の課題を考察してきました。会計数値の合算は、Excelに依存した属人化しやすい作業であり、スタートするためには様々な障壁があるということが分かりました。

結局のところ、「たかが合算作業なのに面倒くさっ!」というのが担当者の本音でしょう。集計が面倒で時間がかかるくらいなら会計数値の合算の必要性は薄いということなのでしょう。

確かに集計作業を行うこと自体は単なる作業であって、グループ企業にとって何の価値もありません。集計結果であるグループ会計数値をどう活かすのか?ということにグループ企業経営にとって価値があるわけですからね。

では、八方塞がりなの?というと、そうではありません。
1つ解決策を提案するとすれば、合算作業の「脱Excel化」です。担当者はExcel作業でないと合算作業は実施できない、という先入観を捨ててくださいという提案です。

では、何を使って作業すればいいの?となるわけですが、
「システム使ってください!以上!」です。

今回考察してきた合算作業のすべての課題は弊社サービスbixid(ビサイド)で全部解決できます。本当です。Excelスキルも必要ありませんし、特定の担当者でないと作業ができないということもありません。

グループ企業の担当者の皆様!
グループ企業の合算作業をもっとシンプルに、よりスマートに行ってみませんか?

丸山 桂
丸山 桂
株式会社YKプランニング 経営管理本部長 公認会計士

大学卒業後、金融機関のリテール営業からEY新日本有限責任監査法人での金融機関監査とIPO支援経験を積む。独立し税理士事務所を開業後、YKプランニング入社。現在は経営管理本部で予算管理とバックオフィス業務を統括。幅広い財務会計と金融の知識と経験を活かし、組織の成功に貢献するべく管理体制を強化中。
趣味はゴルフ・YouTubeで興味がない分野の動画をあえて見ること。