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赤は目立たない?全ての人に伝わる色と工夫(前編)

2022年12月15日
営業/マーケティング

こんにちは。YKプランニングデザイン部です。

業務の中で「ここは重要箇所で強調したいから別の色にしよう」など、色の組み合わせを工夫される機会はありませんか?

ところが、色を区別しづらい人たちには、色を使っても分かりやすくならない場合があります。

今回は、「色覚異常の方にとって、区別しづらい色と区別するための簡単な工夫」をご説明します。


色覚異常とは

色覚異常とは、大多数の人が見ている色とは異なる色に見えたり、色を上手く判別できなかったりする状態のことを言います。
日本では、生まれつき何らかの色覚異常を持っている人は、男性5%、女性0.2%と言われており、約20人に1人の割合になります。見え方に個人差があるため、軽度の場合、色覚テストを受けないと気づかない人もいます。

色覚異常には、先天性のものと、病気やケガ、その他ストレスなどの心因による後天性のものがあります。

一般色覚(C型)
1型色覚(P型)日本人男性の1.5%
2型色覚(D型)日本人男性の3.5%
3型色覚(T型)日本人男性の0.0001%

3型は黄色と青紫の違いや、青と緑、青と黒の区別がつきにくい特性です。ただし、後天的な原因がほとんどであり、色覚の記憶を持つため、日常生活の不便はあまりないと言われています。そこで、本ブログでは1型色覚(P型)と2型色覚(D型)を中心にご説明します。

区別しづらい色の組み合わせ

色覚異常には、見え方に個人差があるため正確な感覚は分かりませんが、色に対する傾向に関して、共通して言える点が多くあります。

区別しづらい色の組み合わせとして、次に示す色相環を見ると理解がしやすいです。
赤と緑、黄色と青紫、など色相環で正反対に位置する関係の色の組み合わせを「補色」と呼びます。
ところが、先天色覚異常の人では、この円が縦長の楕円になり、強度であるほど円が細くなります。細くなれば遠い位置にあったはずの赤と緑の距離が近づくことになります。

つまり、赤と緑、オレンジと黄緑、紫と青などの色がそれぞれ同じ色に見えます。
さらに、色相環の中心は無彩色(白、灰色、黒)なので、ピンクや水色などの薄い色は白や灰色に見えます。また、鮮やかな蛍光色の見分けには、特に注意が必要です。(黄色と黄緑、ピンクと水色の蛍光ペンはそれぞれ同じ色に見えます。)
このような色の組合せで区別しても、情報発信者の意図は先天色覚異常の方には伝わりません。その色が薄かったり暗かったりすると、さらに区別することが困難になるのです。

色を区別しづらく、その色が何色であるかをとらえにくい場合、色名を追加すれば、安心して色をイメージしたり、他の人とその色について語り合ったりすることができます。

(区別しづらい色の見え方の例)

赤は目に飛び込んでこない

1型色覚(P型)と2型色覚(D型)の違いは、1型色覚(P型)は赤が暗く見えて黒との区別がしづらくなりますが、2型色覚(D型)にはそれがないことです。

つまり、1型色覚(P型)の人にとっては赤が暗くて地味な色なので、目立たせようと赤を使っても、使われていることに気づかないということが起きます。
強調で「赤を使うな」ということではありません。赤を用いる場合は、以下の点に注意しましょう。

・赤をオレンジの方向に変更する
・色だけはでなく、形で区別する(アンダーラインを引くなど)

区別がしやすい色の組み合わせ

1型色覚(P型)と2型色覚(D型)は、赤成分や緑成分を含んだ色が沈んで見える分、青色が最も目立つ色になります。強調色を赤色ではなく青色にすると、色覚異常の方にも情報が伝わります。

また、青と赤、青と黄色は全く別の色として区別ができます。

さらに、緑と青緑の組み合わせは別の色になり、この色の組み合わせは間違えません。緑色が黒っぽく見えたとしても、青成分を含んだ青緑と緑の違いは、はっきりしているのです。

まとめ

ちょっとした工夫や配慮によって、より多くの人に情報発信者の意図が伝わります。
色の工夫もその一つです。

・強調箇所に赤は目立たない
・色だけでなく形で区別する(アンダーラインを引くなど)
・青色は色覚異常の方にとって最も目立つ色

ぜひこの3点を意識してみてください。
後編はより実践的に、資料作成で使える「全ての人に伝わる色の組み合わせと工夫」をご説明します。

※作成した画像について。見え方には個人差があるため、色弱の方が必ずこのように見えているわけではありません。


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