BLOG bixid

経営のあらゆる課題を支援する
bixidオフィシャルブログ
  • ALL
  • 経営管理
  • 会計・財務
  • bixid活用
  • 業務改善
  • 営業/マーケティング
  • 人材育成
  • ビジネス用語

今更聞けない「予算管理」

2023年 6月 8日
会計・財務 業務改善 ビジネス用語

こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。
今回は、今更聞けない会計のこと「予算管理」についてご説明します。

とある日常、経営者と会計事務所の担当税理士との会話。

最近よく「予算管理」っていう言葉を聞くんだけど、まずは具体的にどういうことをすればいいの?
難しいことは考えずに、まずは当たり前ですが、予算を作成することです。それと同等、いやそれ以上に大切なこととして、月次試算表をタイムリーに作成することがとても重要です。
月次試算表は先生にも協力してもらって、それなりにタイムリーにできているよね。そうすると、予算の作成はどうすればいいの?
予算の作成というと、なにか特別なものを作成しないといけないなどと難しく考えてしまうかもしれません。ですが、具体的なイメージでいうと「未来の試算表」を先に12か月分作ってしまうという感じです。
「未来の試算表」・・・?
そうです。予算管理とは、これから経営上起こるであろう取引を予測して先に試算表を作成し、それを毎月実際の試算表と対比させる。それが基本の考え方です。
なるほど。そういう視点で考えると月次試算表の見方が変わってくるかもね。改めてもう少し詳しく聞きたいね。


月次試算表とは何か、そしてその重要性とは?

中小企業経営者であれば月次試算表という言葉を耳にしたことはあるはずです。

試算表は毎月の会計期間の終わりに、企業の収益と費用を記録し、いくら儲かっているのか、いくら損しているのか、そして月末の現預金残がいくら残っているのかなどを確認するための一覧表です。売上、利益、費用、債務などを一目で確認でき、経営判断を下すための重要な情報を提供してくれます。
月次試算表の重要性は、そのタイムリーな情報提供能力にあります。
月次試算表を活用することで、企業の予算計画と実際の結果を比較し、その差分を分析することが可能になります。これは予算管理において重要な要素であり、予算の適正性を評価し、必要な場合は早期に修正をおこなうための根拠を提供します。

さらに、月次試算表のもう一つの重要性は問題の早期発見と対策につながる点です。
試算表を適時に作成・分析することで、経費の急増や売上の落ち込みなどの問題を早期に発見し、適切な対応をおこなうことができます。これにより、問題が大きくなる前に対処することが可能になり、企業の安定した運営を支えます。


予算管理の重要性と効果的な手法

次に、この試算表を活用した予算管理の方法について説明しましょう。

予算管理とは、予算を策定し、その達成状況を定期的に追跡・評価し、必要に応じて修正をおこなうプロセスを指します。予算管理は企業の利益性、キャッシュフロー、財務安定性を確保するための重要なツールです。

予算管理を効果的におこなうための第一歩は、具体的な財務目標の設定です。
売上高、営業利益率、費用削減など、具体的かつ測定可能な目標を設定しましょう。目標を設定することで、予算策定の基準が明確になり、実際の業績と比較することが容易になります。また、目標達成のための行動計画を立てることも可能になります。

その次におこなうべきは、予算を段階的に作成することです。
全体的な年間予算をまず作成した後、それを四半期や月に分割しましょう。これにより、短期間での予算達成状況を確認し、必要に応じて修正することが可能になります。このステップにより、予算達成に向けた進行状況を常に把握でき、予算達成に必要な対策を早期に講じることができます。

これを指して、予算作成とは「未来の試算表を先回りして作成すること」と言い換えることができるのです。

さらに、定期的なレビューをおこなうことも大切です。
月次試算表を用いて、最低でも月に一度は予算と実績の比較をおこないましょう。予算と実績が乖離している場合、その原因を特定し、対策を講じることが求められます。


予算管理の実践と組織全体への浸透

これまで述べた予算管理の手法を経営の現場に落とし込むには、組織全体で予算意識を共有することが重要です。

予算管理は経営者だけの問題ではなく、全従業員が関与すべき企業全体の問題です。
各部署が自身の予算を理解し、その達成に向けて行動することで、組織全体としての予算達成が可能になります。

また、予算管理には専門的な知識が求められます。
そこで、専門家のサポートを利用することも一つの手段です。会計士や財務アドバイザーは、より詳細な予算作成や分析のサポートを提供でき、経営者の負担を軽減します。

最後に、予算管理の目的は企業の持続的な成長を支えることにあるということを忘れてはなりません。

予算管理により、利益の最大化、費用の最小化、そして最終的には事業の成長を実現することが可能になります。予算管理は一時的なものではなく、経営者が常に意識し続けるべき課題です。そして、それは決して単独の努力では達成できません。全従業員が予算管理の重要性を理解し、それぞれの職責を果たすことで初めて真の成果が生まれます。

予算管理は企業の健全な成長を支えるための必須要素であり、そのためには月次試算表の活用が非常に重要です。今一度自社の月次試算表について見つめ直してみましょう。

まだまだ他にもたくさんの会計に関する今更聞けないことが存在します。一つずつわかりやすく解説していきますので、ぜひほかの「今更聞けないシリーズ」も読んでみてください。

岡本 辰徳
岡本 辰徳
株式会社YKプランニング 代表取締役社長

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。